大阪フィッシングショーに行ったら【釣具よりリサイクル活動に興味を惹かれた】

2023年03月18日 17:00

[TSURINEWS]

抜粋

フィッシングショー大阪に出かけた筆者。当初は、さまざまなメーカーの新製品を見て手に取ることが目的であったが、実際行ってみると環境問題やリサイクル活動の展示に関心が。中でも特に気になった「漁網のリサイクルプロジェクト」について紹介しよう。

(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター笠野忠義)

大阪フィッシングショーに行ったら【釣具よりリサイクル活動に興味を惹かれた】

ゴミ問題に代表される環境問題

今回のフィッシングショーで、用品の展示はさることながら、目に留まった展示を見かけた。それは、何かというと「環境問題」。釣り人=環境問題というと「水辺の清掃活動」や「漁港のごみの持ち帰り」というのが頭に浮かぶであろう。

大阪フィッシングショーに行ったら【釣具よりリサイクル活動に興味を惹かれた】リメイクルアー(提供:TSURINEWSライター笠野忠義)

日本釣り振興会(日釣振)は、根がかりしているルアーの実態を知ってもらうような展示や、正規品と模造品を比較できるような展示を行っていた。あるところではブースを間借りして、ダイバーと協力し、根がかりしているルアーを回収し、高校生たちが自分たちでリメイクしたルアーの展示などもあった。

リサイクル活動

しかし、清掃活動以外の視点でリサイクルへの取り組みの展示をしていたブースを見かけた。それは、釣り用品をはじめ、多方面に製品を展開する「グローブライド」(DAIWA)だ。ブース一帯リサイクル品に囲まれ、ウェア・シャツ・バッグ・ロッドケースetc。ぱっと見は「リサイクル品なの?」と思うくらいで、言われないとわからないほどの展示品であった。

大阪フィッシングショーに行ったら【釣具よりリサイクル活動に興味を惹かれた】リサイクルで作られた製品(提供:TSURINEWSライター笠野忠義)

リサイクルされてできたウェア2着と、ドレスがメインで展示されていた。ドレスはマダイをイメージしたものだそうだ。また、違うブースではリサイクル品のクーラーボックスの展示も。そうこうしていると、社員の方から話かけられ、私も環境問題には関心があるので話を伺った。

BE EARTH-FRIENDLY -漁網アップサイクルプロジェクト-

リサイクル品を手にし、手触りや見た目などを見て関心していた時に「こちらすべてリサイクル品なんです。」

と声をかけられた。見た目の感想など話せていただいて、この日の展示までの苦労話を伺った。リサイクルされるもの……それは「廃棄漁網」。釣り人目線で単純に考えることは「海中に眠っている根がかったルアー」じゃないの?と思うであろう。この日まで実は私もその一人であった。

廃棄漁網の量に驚き

D:「これらはすべて廃棄される漁網から作られています!」

私:「え?漁網ですか?なぜ、また漁網なのでしょう?」

魚網の処理が大変なワケ

これらの廃棄漁網は北海道の漁港の協力を得て漁網を回収している。単に漁網を処分……というわけにはいかない。

・漁網は「産業廃棄物」になるため、焼却できず埋め立てる必要がある。

・埋め立てるには莫大な費用がかかる上に環境負荷が大きい。

・分別して処理するにも、材質に色々なものが使われており、非常に困難。

・一つの漁網を分別するのに1時間かかり、負担も大きい。

・処分すれば、買い替えだが、買い替えにも費用がかかる。

寿命は1年から2年と短い

漁師さんにとっては大変な負担となること間違いない。網の処分・買い替え、さらになくてはならない船の購入費、修繕費、燃料費、係留費など、莫大な費用がかかる。高齢の漁師さんとなると、とても困難であることが伺える。

毎年2000tが廃棄

そして毎年廃棄される漁網の量。なんと2000t。想像がつかない量である。漁網にピンと来なければ、私たちが使う釣り糸2000tでもいいだろう。それにしても想像がつかないが、相当の量ということがわかる。DAIWAではそのうち100tを回収してリサイクルしているとのこと。100tという量も相当な量である。

協力なしでは実現なし

北海道の漁協から協力を得て企業側で回収し、1社で加工までというのには当然限界がある。漁協の方や、リサイクル関係の企業にも恵まれて、このプロジェクトが実現したとのこと。

大阪フィッシングショーに行ったら【釣具よりリサイクル活動に興味を惹かれた】リサイクルで作られた製品(提供:TSURINEWSライター笠野忠義)

生地になるまでの工程

(1)回収した廃棄漁網は回収業者によって回収され、それらを洗浄し、チップ化

(2)チップ化したものを一旦液状化し、細いノズルに通して糸(原糸)にする

(3)糸を何本かより合わせて糸にし、染色をし、生地に仕上げる

強度やコストに苦労

製品化まで来たが、ちょっとした疑問が。

私:「廃棄される漁網なので、強度的にどうなのでしょう?」

D:「はい、とても苦労しました。初めはいろいろ苦悩がありましたが、そちらはクリアしました。」

私:「あと、生地にするまでにこれだけの工程があって、いくつもの企業様が中間に入って、コスト的にはどうなのでしょうか?」

D:「リサイクルしたとはいえ、現段階では販売はしておりませんが、変な話、新品のものより若干割高になりそうです。」

海中に長い時間あるものなので強度の部分がどうなのか気になって質問してみた。色々試行錯誤されて強度を出せるようになったそうだが、この問題に取り組んでいる時に「漁網の材質を変えたら?」なんて話題もあったそうだ。しかし、現状では難しく、漁網も当然強度の問題がある。

単純に、「海中に残るんだから生分解にしたら?」と思う人もいるだろうが、強度的にもコスパ的にも無理がある。製品も、新品と遜色ない出来栄えで、「リサイクルされてできたものです」と言われないとわからないレベルだ。生地の強度も、肌触りも、見た目もぱっと見リサイクル品とは思えない。販売価格の部分も何か模索しているようだ。

理想的なリサイクル

これらの話を聞いてきて、廃棄漁網の多さ、リサイクルされるまでの過程など、関心しきりだが、なるほど!と思えたのが、「リサイクルされてできたウェアを漁師さんに実際に着用していただいて、着心地やポケットの配置など、意見をお聞きして、製品作りに生かしています!」という点。

漁網を回収している漁師さんに、ウェアを提供し、モニタリング。ものづくりへの一生懸命さが伝わってきた。ウェアを手掛けている企業なので、この辺はお手の物だろう。これらを身に着けている漁師さんも、今までは「カッパ」だったであろうが、カッパでなく「レインウェア」である。

このプロジェクトの動画を拝見したが、着心地もよくて、防水もしっかりしていてお気に入りのようだ。これを機に、リサイクルに対する関心度が上がったであろう。

みんながハッピーに

話の最後にこんな話をしてもらえた。「廃棄漁網をリサイクルすることで、埋め立てゴミも減り、海中ゴミも減り、漁師さんたちの負担も減り、漁師さんにウェアという形で還元し、漁師さんたちもハッピーに、また、皆さんにリサイクル品を利用していただくことで、自然環境もハッピーに……。そう考えると楽しくないですか?」最初から最後まで熱意の伝わる話を聞かせていただいた。釣具の一つ一つもこのような熱意で作られていることが想像できる。

焼却処理が可能に

世間一般ではリサイクル……と叫ばれてはいるが、リサイクルするものがあるからリサイクルができるわけであって、リサイクルする製品が、新しく生まれてくる限り、ごみは減らないし、循環型にはならない。

大阪フィッシングショーに行ったら【釣具よりリサイクル活動に興味を惹かれた】 リメイクルアー(提供:TSURINEWSライター笠野忠義)

一言でリサイクルといっても、深堀りすると実に深刻な問題である。しかし、漁網のように埋め立て処理されるものが、焼却処理できる形に生まれ変わるのは大きなメリットかもしれない。

<笠野忠義/TSURINEWSライター>

The post 大阪フィッシングショーに行ったら【釣具よりリサイクル活動に興味を惹かれた】 first appeared on TSURINEWS.

この記事を見る

楽天市場ランキング
30位
フルアルミだから、実現できる釣りがある。さらなる強さを必要とする、すべてのアングラーへ。歴代CERT...
¥77,440
29位
●掲載商品は複数サイトおよび実店舗で併売しています。ご注文タイミングにより欠品し、お取り寄せにお時間...
¥79,200 送料無料
28位
石鯛を素直に走らせ、獲る。軽快な振り感と頼れるパワー。ツケエの違和感を極力無くし、石鯛を素直に走らせ...
¥80,080
27位
その力は、アングラーの可能性を駆動する。海のビッグターゲットと対峙するために生まれたCERTATE ...
¥81,928