整備士に聞く【釣車と長くつきあうためのコツ】 長距離走行&潮風への対策とは?
2023年03月24日 16:30
抜粋
私の釣車の走行距離は10万kmをゆうに超えました。しかし、まだまだ愛情が消えないため、もうしばらくは海への長旅につきあってもらうつもりです。そこで、今回は「これからの愛車とのつきあい方」を、釣車の整備でいつもお世話になっている整備士さんに聞いてきました。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター松永一幸)


長距離走る釣車で注視すべき箇所
どうしても、長距離を走りがちな釣車。そこで、まずは走行距離が伸びてきたときに注視すべき箇所から紹介します。
CVT(無段変速機)の誤動作
停車間際や加速時に「ダッダッダッ」と、車内にまで響く振動が出たりしませんか?
それは「ジャダー」といわれる症状です。CVT内の金属ベルトが、駆動プーリーを動かす際に、誤作動を起こしているのが原因です。そのまま放置すると、破損して走行不能になる場合もあります。
「ジャダー」の対処方法としては、「CVTのオイル全量交換」がお勧めです。
さらに、「トルコン太郎」を使って「圧送交換」することで、トラブル解決の切り札になります。内部のフランジをすべてフィルターでキャッチし、CVT内部のすべてのオイルが「新品オイル」に入れ替わることで、従来の性能を取り戻すことができます。
「トルコン太郎」を使って「CVTのオイル全量交換」(提供:TSURINEWSライター松永一幸)ウォーターポンプの交換
ウォーターポンプは、エンジンの冷却水を循環させる、大事なパーツのひとつです。
これまでは、タイミングベルトがゴム製の車にお乗りだった方は、「タイミングベルトの交換」と一緒に交換するのが定番でした。
しかし、昨今の車では、タイミングベルトでは稼働しておらず、外部ベルトでの稼働となり、交換の時期があやふやに感じますが、初期症状が出たら点検・交換を依頼するのが、無難と思います。
初期症状の特徴としては「独特の音」がします。エンジンが止まる間際に、「キュッ」とゴムが擦れるような音です。
ベルト類(ファンベルト・エアコンベルト)の交換
ベルト類は、36ヶ月経過、もしくは走行距離が60,000km毎の交換がメーカー推奨になります。
筆者のように、よく海へ釣りに行かれる方は、「潮風」と「夏場の高温下」の走行による影響を受けて、街乗り使用の方と比べるとベルト類の劣化スピードが早いといえますので、「短いスパンでの交換」がお勧めです。
また、ベルト類のトラブルの原因になりやすいのが、「ベルトテンションの張り過ぎ」です。ご自身で、セルフメンテナンスを行う方は、この点に注意が必要になります。
ベルトテンションを強くする行為は、「鳴きを止める」改善策としてよく使われますが、それは勘違いで、実はかえって症状を悪化させてしまう行為になります。さらに、強いテンションからほかのパーツへ悪影響が伝わり、思いもよらぬ故障につながりかねません。
適正テンションで鳴きが出る場合も、ベルト交換の時期になります。
現在走行距離は16万800km突破(提供:TSURINEWSライター松永一幸)潮風や海水の影響を受けやすい箇所
つづけて、海辺で潮風や海水の影響が受けやすい箇所を紹介していきます。
足回り(サスペンション等)のブーツ類
潮風や海水の影響というと、錆ばかりに目が行きがちですが、ここで注視してほしいのが、足回りの「ブーツ類」になります。
「ブーツ類」は、ゴム製品のパーツなので、塩分の影響が出やすい箇所になります。点検は、オイル交換時に車輌をリフトアップしたときに、一緒に確認するのがお勧めです。「破れ」・「変形」・「グリス漏れ」などの症状は、早期発見が最大の予防策になります。
また、ブーツ類は車検の際に、「亀裂でグリスが出ていない状態」なら、車検をパスすることが可能なため、「車検したあとだから大丈夫!」と安心するのは軽率です。
見落としたブーツの亀裂から、グリスが流出してしまい、さらにブーツ自体の破れに発展。その破れから異物が侵入すると、ボールジョイント部に動作不具合をもたらす「ガタ」が発生します。最悪のケースでは、異音を出しながら「破損」してしまうことになりかねません。
とくに、スピード車検を多用されると、絶対的なメンテナンスおよび点検時間が不足した車検という印象を強く感じます。プロの目を疑う訳ではありませんが、車検とメンテナンスを分けて考え、追加で別の日にメンテナンスを依頼するとより安心だと思います。
「ブーツ類」はオイル交換時に一緒に確認するのがお勧め(提供:TSURINEWSライター松永一幸)ブレーキ(ローターとパッド)の錆
ブレーキは、潮風の影響が色濃く出るパーツだと考えてください。とくにローターは錆によって、パッドとの当たりが悪くなりパフォーマンスがかなり低下してしまいます。ホイールから見える箇所だけではなく、ローターの裏側は注意が必要です。
ブレーキペダルの踏みしろが変わったときは、とくに注意してください。さらにブレーキから「鳴き」が発生したときは、点検を依頼された方が得策です。点検を怠り、錆の影響に気付かずに、そのまま使用してしまうと、ローターとパッドの交換が必要な事態に発展してしまいます。
日常の車の下廻りのメンテナンスは、小まめな洗車です。相手は「塩分」ですので、高圧洗浄機など活用して、手の届かない箇所も洗い流すことが肝要です。
車の下廻りのメンテナンスは小まめな洗車(提供:TSURINEWSライター松永一幸)オフロード走行が多い場合
皆さんは釣り場に向かう道中、悪路走行を余儀無くされて、大きな石を乗り越えなければならない状況になり、タイヤが「ズルッ」と大きく滑った経験はありませんか?
このとき、車体にはハンドルのセンター位置を狂わすほどの、強い負荷がかかり、足廻りに「歪み」が発生している可能性があります。その後の走行中に、ステアリングのフィーリングに「違和感」を感じた場合は、早めの点検をお勧めします。
たとえ「ミリ単位の歪み」でも、速度が速くなるシチュエーションでは、車体に与える影響が大きくなり危険です。違和感のある症状を放置して、そのまま走りつづけると、オルタネーターへ負担がかかり、最悪のケースでは「車輌火災」に発展する恐れもあります。
車と長くつきあうメンテナンスのコツ
「まるふくモータース」代表の福嶋将真さんに、長くつきあうコツをお伺いしました。
費用との兼ね合い
よく、車のメンテナンスで、「費用」を節約したメニューをお客様より求められますが、金額を抑えるとしたら、心臓部である「エンジン」に直接関わるエンジンオイルなどは、対象から除外すべきだと思います。
イメージが掴みやすいように、「ギアが噛み合う箇所」で表現しますと、「油膜」が切れてしまう状態は論外とし、「油膜が薄くなる」とギアの噛み合うクリアランスを広げる原因になります。その結果、やがてガタが発生し、不具合に発展するのは簡単に想像がつくと思います。
エンジンオイル選び
また、エンジンオイル選びにも注意が必要です。長い距離を走る車には、メーカーが推奨している「粘度」が、「0W-20」ならば「0W-40」と、後ろの数字が大きいオイルを選ぶことをお勧めします。
後ろの数字は、ご存知の通り、「高温時の粘度」の指標になります。長距離走行時は、エンジン内部は高温になりがちです。そこで、高温になったエンジンを保護するために、大事な役割を担うのが「油膜」です。後ろの数字が大きいオイルは、油膜の形成を高温化で維持するのに適していると考えます。
さらに、ベースオイルの種類にも注意が必要で、品質が安定している「化学合成油」がお勧めです。
その最大の理由は、洗浄能力だといえます。エンジン内のフランジ(異物)をキッチリとオイルフィルターへ運ぶことができるのは、期待値も込めて「化学合成油」が1番といえます。
釣具と同様とお考えなら、ぜひとも釣車にも、質のよいメンテナンスをお願いいたします。ケミカルで巻き心地が改善するリールのように、体感できるほどの「変化」が期待できますよ。
エンジンオイルは品質が安定している「化学合成油」がお勧め(提供:TSURINEWSライター松永一幸)良質なメンテナンス
釣車のODOメーターの走行距離が10万kmを超えると、「寿命?」と考えてしまいがちですが、「強度」「耐久性」は過去の車より向上し、さらにメンテナンス技術も「進化」していると感じました。
また、筆者の釣車が走行距離13万kmに達したときに、CVTジャダーの改善策で、CVTオイルの全量交換をしたのですが、交換後は「新車」のときのフィーリングが戻った感じになりました。
さらに、そのフィーリングは変わらず、いまも快調な走りをみせています。そして、現在の走行距離は16万800kmを突破しましたが、うれしいことにその後はトラブル「ゼロ」で、すごく感謝しております。
釣車へ良質なメンテナンスを(提供:TSURINEWSライター松永一幸)おかげ様で、2023年は「釣車の入替」を検討して、頭を抱えていましたが、この案件は先延ばしにできそうです。その浮いた予算を「釣具の入替」にあてられると確信したので、購入リストを練り直し、楽しい悩みが増えて、その楽しみに頭を抱えています。ロッドホルダーなどの、「コダワリの装備」を施した釣車を所有されてるアングラーの皆さま。釣車への良質なメンテナンス、お勧めですよ。
<松永一幸/TSURINEWSライター>
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