屋形船東京都協同組合に聞く「新型ウイルス」の影響と対策 昨年比8割減も
2020年03月13日 17:00
抜粋
コロナウイルス感染拡大により、さまざまな業界に多大な影響が。なかでも、例年のこの時期であればお花見や、歓送迎会などでの利用が増える『屋形船』においての影響と対策について、屋形船東京都協同組合に取材した。
(アイキャッチ画像出典:PhotoAC)


『屋形船』で新型コロナウイルス感染拡大
2020年の1月、東京都の『屋形船』を舞台に開催された新年会にて、新型コロナウイルスの感染拡大が起きたというのは、すっかり有名な話になってしまった。
そして、このニュースを聞いて想像できるのが、「屋形船」利用者数の激減という事態だろう。実際どのような影響が出ていて、いかなる対策をとっているのかを、「屋形船東京都協同組合」に電話取材した。
今年2~4月にかけての影響
窓開け風景(提供:屋形船東京都協同組合)屋形船東京都協同組合によると、すべてが感染症 にかかわるキャンセルなのかどうかは把握できないが、やはりキャンセルが相次いでいるとのこと。具体的には、以下のような数値が出ているようだ。
2020年2月:昨年同月比 約4割減
2020年3月:昨年同月比 約7割減
2020年4月:昨年同月比 約6割減
電話取材を行ったのは3月9日。動向を見てまだキャンセルしていない人がかなりの数いると想像され、最終的には約8割減まで影響拡大する可能性があると、見込みを話してくれた。
4月の予約については、現状で約6割減。これについては、やはり3月同様、「キャンセルするかどうか動向を静観している予約者が多数含まれている」と分析しており、やはり最悪は前月同様に約8割減を想定しているとのことだ。
それでも、「こういう時だからこそ乗るよ」と言ってくれる常連は少なくないらしい。ただ、事態の収束が見込めない限り、予約を断らざるをえない状況の船宿もあるそうだ。
屋形船東京都協同組合による対策と現状
同組合では以下の対策を公表している。
消毒の徹底喚起(提供:屋形船東京都協同組合)1.手洗いの徹底
船内乗組員及び従業員の手洗い(出勤時・厨房を出入りする際・金銭を触った際など)を各事業者ごとにタイミングを決めてルール化し、従業員に徹底させること。
2.マスクの着用
咳やくしゃみによるウィルスの飛散を防ぐとともに他者からのウイルス飛沫をガードするためマスク着用を励行すること。
3.アルコール消毒の実施
アルコール除菌(提供:屋形船東京都協同組合)接客前、接客後の手指アルコール消毒、および手すり、椅子テーブルや手洗いなど乗船者との接触が考えられる場所のアルコール消毒を実施すること。ご乗船のお客様には手指の消毒のご協力や従業員のマスク着用でのご対応にご理解いただきますようお願い申し上げます。
机も念入りに(提供:屋形船東京都協同組合)(引用:組屋形船東京都協同合HP https://www.yakatabune-kumiai.jp/)
その他の組合加入の船宿の対応
また、上記以外にも組合加入の船宿(36件)に対し、以下のような対策を行ったとのことだ。
1.清掃用アルコール(500ml)×3本 2月中旬~配布済
2.乗客や従業員の手指消毒用アルコール(1L)×5本 2月中旬~配布済
また、同組合の船宿が認可を受けている関東運輸局から従業員数×30のマスク(メーカーや製造国など選択可能)の発注書が届いているとのこと。さらに、2月中ごろから従業員の周知徹底や乗客への注意喚起などを記載したポスターを作成し掲示。広報活動を行っている。
アルコール消毒が徹底されている(屋形船東京都協同組合)厚生労働省発表を受けて
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議による発表に中に、「1-(2)一定条件を満たす場所からの感染拡大」について以下のような記述がある。
「これまでに国内で感染が確認された方のうち重症・軽症に関わらず約80%の方は、他の人に感染させていません。一方で、一定条件を満たす場所において、一人の感染者が複数人に感染させた事例が報告されています。 具体的には、ライブハウス、スポーツジム、屋形船、ビュッフェスタイルの会食、雀荘、スキーのゲストハウス、密閉された仮設テント等です。このことから、屋内の閉鎖的な空間で、人と人とが至近距離で、一定時間以上交わることによって、患者集団(クラスター)が発生する可能性が示唆されます。そして、患者集団(クラスター)が次の集団(クラスター)を生むことが、感染の急速な拡大を招くと考えられます。」(引用:厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00011.html)
これを受けて、組合には、【屋内の閉鎖的空間】という部分についての問い合わせが多く入っているとのこと。屋形船には開閉可能な窓や、換気設備が充実していることを正しく認識してほしいというのが、組合側の切実な思いのようだ。実際に、屋形船の多くは潮風や景観を間近で楽しむことができるような造りになっている。
こちらも今年は中止に(屋形船東京都協同組合)歴史ある日本文化でもある『屋形船』
組合では「今後も取り組みを強化し、正しく屋形船を認識してもらい、安心して楽しんでほしい」と話す。平安時代の貴族の舟遊びが発祥とされ、江戸時代に一般庶民にまで広まった歴史ある『屋形船』文化。
今年開催されるオリンピックでも、海外からの観戦客にぜひ体験してもらいたい日本文化の一つだ。爽やかな潮風を感じながらの海上散策とグルメ、さらには釣りまで楽しめたりと、屋形船は五感を使って自然をより間近に体感できる点が、クルーズ船と一味違う。
とはいえ、お客さんが来ない状況が長引いてしまうと船宿もサービスの提供が困難になる。この素晴らしい文化を絶やさぬよう、一刻も早い感染収束が望まれる。
<大高/TSURINEWS・関東編集部>









