必ず知っておきたい5つの【渓流釣りのルール&マナー】 先行者いた場合はどうする?
2023年04月01日 11:30
抜粋
コロナによる影響なのか、ここ数年で、渓流釣りに訪れるアングラーの数が一気に増えた。このこと自体は喜ばしいことだが、同時にマナーの悪い人たちによるトラブルが増えてきたように思う。この記事では、渓流釣りにおける「守るべき5つのマナー」について、詳しく解説していこう。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター荻野祐樹)
解禁日に目の当たりにした現実
2023年の解禁初日、私はいつものように通い慣れた支流を訪れた。そこで目についたのは、まだ渓流経験が浅いのであろう、アングラーのマナーの悪さ。長年渓流釣りをやっている愛好家であれば当たり前に守られるものが、全く守られていなかったのだ。
昨今の海釣りシーンでは、多くの漁港で漁師さんとアングラーがトラブルになり、多くの釣り場が閉鎖されている。このままでは渓流釣りもポイントが限られてしまい、楽しめる釣り場がどんどん減ってしまう。
一人一人がマナーを守る事がどれだけ重要なのか、理解しておく必要があると著者は考える
遊漁券は絶対に用意する
まずは渓流釣りに行く為に必須となる「遊漁券」について解説していこう。
河川は管轄の漁協がある
渓魚が棲む河川は、基本的に管轄の漁協があるケースが大半を占める。漁協は河川清掃や稚魚・成魚放流などの河川管理を一手に担ってくれており、そのお陰で我々アングラーは渓流釣りが楽しめるのだ。
「山奥だし人も来ないから、きっとバレないよね」等という考えは捨て、必ず遊漁券を入手しよう。入手方法だが、各漁協や、「遊漁券取り扱い」の表記のある釣具店の他、河川周辺の店などでも入手できる。
年券と日券を選ぶ
遊漁券には、シーズン中何度でも使用できる「年券」と、1日のみ使用できる「日券」がある。年券はやや高価で写真が必要なケースが多いが、何度も釣行するのであれば年券は必須だ。
一方日券は写真不要のケースが多く、年券より安価で入手できる。私が通っている兵庫県の揖保川の場合、3回以上釣行するなら年券、2回以下なら日券の方がお得になる金額に設定されている。
遊漁券は見える場所に
購入した遊漁券は、ベストやビクなどの目立つ場所に取り付けておかねばならない。また、漁協関係者に提示を求められた場合は快く応じよう。この時に、各支流の釣れ具合など、様々な情報を教えてくれたりするので、実に有意義な時間となる。
駐車場所を考える
続いては、車の駐車場所について。いくら自然の山奥で「駐車禁止」の標識が無い場所とはいえ、どこでも停めていいわけではない。では、どういった場所を避けるべきなのかを解説していこう。
公共物周辺は避ける
山奥にも「生活道路」は間違いなく存在する。バス停やゴミ集積所周辺は他よりかなりスペースが広いのだが、それも目的を考えれば当たり前の話だ。いくらスペースに余裕があっても、そこは公共車のためのもの。絶対に停めてはならない。
特に見落としがちなのが、何でもない場所にニョキっと生えるかの如く存在する消火栓。当然、この周囲にも駐車しないように気を付けたい。
民家周辺は避ける
山奥を流れる里川の場合、渓魚が棲む渓流の横に普通に民家があったりする。こういった場合、くれぐれも住民の方々の邪魔にならないように注意しよう。
農地・空き地に注意
だだっ広い空き地だと思っていたら、実は所有者がいた・・・なんて事は普通にあり得る。管理されている農地の可能性もあるため、本当に駐車して良いスペースなのか、注意が必要だ。
すれ違いが出来るように
良いポイントが目の前に現れると、すぐにでも車を停めて突撃したくなるのがアングラーの性。
だが、道幅が狭い場所に停めてしまうと、対向車とのすれ違いが出来なくて大変危険だ。車1台が余裕をもってすれ違えるだけのスペースを必ず確保しておこう。
通行禁止区間に注意
渓流は大自然の中に飛び込む釣り。場所によっては除雪されていない通行禁止区間があったり、落石による通行止めとなっている事がよくある。こういった場所は、安全の面からもきちんとルールを守るようにしたい。
先行者に気を配る
渓流釣りにおいて、最も多いトラブルが先行者とのすれ違い。著者も最近、このトラブルに見舞われることが多くなったように感じる。
先に入渓している人がいる場合は、別の川に行くか、しっかりと区間を確保して入渓するのが絶対のマナーだ。ここでは、入渓時における注意点を纏めて解説しよう。
基本は釣り上がり
渓流釣りは入渓場所から釣り上がって行く「遡行スタイル」が基本。もし入渓したいポイントに先行者がいた場合、最低500m、出来れば1キロ程度の距離を空けて入渓したい。
それも、可能なら下流側に入渓するのが暗黙のマナー。小規模河川の場合はポイントが非常に限られてしまうため、別の川に行くなどの配慮も必要だ。
釣り降る場合の注意点
場所によっては釣り降り(下流方向に向かって釣っていく)を行いたいこともあるだろう。仮に釣り降りを行う場合は、下流側にも1キロ程度に渡って人がいないことを確認しておく。
もしくは、釣り上がりで入渓する事が不可能な場所を選んでおけば、別のアングラーと遭遇することは無い。とはいえ、人気河川の場合はあちこちから人が来るので、解禁日や禁漁前、成魚放流直後などの混雑時は絶対に避けるようにしよう。
追いついてしまったら
下流側に入った場合でも、極まれに先行者に追いついてしまう事がある。その場合は一声かけて、静かに下流側から脱渓し別の場所へと移動しよう。くれぐれも追い越しはしないこと。
ゴミは必ず持ち帰る
渓流釣りに限らず当たり前のことだが、出たごみは必ず持ち帰ること。ここでは著者が現地で実践していることを紹介しよう。
ゴミを出さないように釣る
食事は車付近で行い、ゴミ袋に入れて持ち帰る。飲み物はペットボトルとし、ビクに収納しておくか、ドリンクホルダーで固定しておく。飲み終わったら、移動の際に車で新しいものと取り換えるのがオススメだ。
仕掛けのゴミはマナーボックスへ
著者は第一精工社のストリングスワインダーを愛用している。これはダメになった仕掛けを手軽に収納できる、最高の便利アイテムだ。その他、各メーカーが発売しているマナーボックスがあれば、小さなごみなどは全て持ち帰れる。
ルアーは予めボックスへ
ルアーで釣る場合、ルアーのパッケージは釣行前に処分し、ルアー本体はボックスに収納しておく。こうすればゴミが出ないし、何より釣り場ですぐに使用できる。
根掛かりは出来るだけ回収
渓流は浅い場所も多いので、危険が少ない場所であれば、安全を確保した上で可能な限り回収しておこう。そもそも、根掛かりを取ろうとした時点でそのポイントはダメになっている。
そのため、渓魚の警戒云々を気にする必要はない。エサ釣りの場合、根掛かりした岩や水没した木の枝等を蹴飛ばせば、無傷で外れる事も多い。
小型はリリースし、必要以上に持ち帰らない
著者のようにキャッチ&イート派のアングラーは、必要な分だけ持ち帰るようにしたい。詳しくみていこう。
規定サイズに注意
渓魚は漁協によって規定サイズがある。基本は「12cm以下はリリース」となっている場所が多いが、そもそも15cm以下は食べるところも非常に少ないので、出来るだけリリースしてほしい。
著者の場合、4月までは16cm、5月以降は18cmと決め、1~2食で食べきれる分だけキープしている。食べきれない分は優しくリリースしよう。
針を呑みこんでしまったら
魚体に触れないようにしつつ、素早くラインをカットしてリリースすれば、時間経過とともに針が取れて生き残れる可能性が高い。
だが、掛かりどころが悪い場合や、釣りあげた時点で血を吐いてしまっている場合は、きちんと持ち帰って食べてあげるべきだと著者は考える。
マナーを守って楽しい釣りを!
今回挙げたマナーは、アングラーというよりも「人として」当たり前に守るべきモラルとも言える。ルールやマナーをきちんと守って釣りを楽しむ事が、将来的な釣り場や資源の保護に繋がるので、是非とも意識してみてほしい。善い行いの後は、きっと好釣果に恵まれるはずだ
<荻野祐樹/TSURINEWSライター>
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