ボートでのアマダイ釣りで61cm『シロアマダイ』堂々参上【三重・フィッシング光栄】
2023年04月08日 11:30
抜粋
幻と言われる魚は、意外に多く存在する。クエやイシダイなどがそうだが、個体数が少なく、非常に釣るのが困難なことから幻といわれるようになった。そんななか、数年前から一気に注目を浴び始めた幻がシロアマダイだ。今回は近年そのシロアマダイが狙って釣れる三重県・紀伊長島三浦沖へ出撃。人気沸騰中の幻を狙ってみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)


高額販売されるシロアマダイ
日本近海で釣りのターゲットとなるアマダイは3種。アカアマダイ、キアマダイ、そしてシロアマダイだ。最も個体数が多く、釣りのターゲットとして確立しているのがアカアマダイ。日本海の若狭湾で獲れたアカアマダイは、若狭ぐじと呼ばれブランド化されている。キアマダイはポピュラーではないが、駿河湾や相模湾のアマダイ狙いで交じることが多い。
そして今回のターゲットとなるシロアマダイは、3種のアマダイの中でも最も個体数が少なく、希少な魚だといえる。某ネットスーパーでは2kg前後の大型が10万円近い値で売られており、この値段だけでもいかに希少な魚かお分かりいただけると思う。
シロアマダイは浅場にいる
シロアマダイのもう1つの特徴として、アカやキに比べて比較的浅い海域に生息しているということ。アカやキは水深100m前後の深場に多いが、シロは深くても60mまでの水深での実績が圧倒的に高い。三重県の五ケ所湾では、たまにイカダでも上がっており20mより浅い水深にも入ってくるようだ。
フィッシング光栄の仕立船(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)レンタルボートで出撃
今回釣行したのは3月8日。お世話になったのは、三重県・紀北町紀伊長島三浦のフィッシング光栄だ。今回は船外機付きのレンタルボートを借りて幻を狙ってみる。
フィッシング光栄のレンタルボート(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)同行してくれたのは、形状記憶合金を使った夢の天秤や、神経絞めで用いる鮮度たもつ君でおなじみ、吉見製作所の石川さん、がまかつフィールドテスターの渡邉敦さん、そして知多市のサップアングラー、牧田亘さんだ。キャプテンは渡邉さんが務めてくれる。
フィッシング光栄の船長からのポイント説明(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)フィッシング光栄では、19ftと21ftの船外機付きボートを借りられ、シロアマダイだけでなくエギングやタイラバ、ジギングなど好きな釣りが楽しめる。船舶免許がない人には仕立船がお勧め。同地のポイントに精通したカリスマ船頭こと佐々木良治船長が、アングラーの要望に応じた釣りを楽しませてくれる。
数年前までシロアマダイはシーズンを通して2~3匹しか見なかったらしいが、2年ほど前から一気に好釣果が出始め、いい日にはシロアマダイが船中2ケタなんてことも。個体数が急増したのか、今まで狙っていなかっただけなのか分からないが、狙って釣れるターゲットになりつつある。
テンビン吹き流しで狙う
今回シロアマダイを狙うのは、イサキやマダイなどを狙うときに用いるテンビン吹き流し釣法。タイラバやSLJでも釣れることは釣れるが、やはり釣果は圧倒的にテンビンに軍配が上がる。
シロアマダイ狙いの仕掛け(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)タックルは特別なものは必要なく、7対3調子か6対4調子、オモリ負荷50号前後の船ザオ。水深が浅いので、電動リールも必要ない。普段ジギングをしている人なら、ライトジギング用のベイトロッドで十分だ。今回は7対3調子1.9mの船ザオを用意した。
7:3調子の船ザオ&ライトジギング用ベイトリール(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)これに合わせたのはダイワ200番のライトジギング用ベイトリール。ラインはPEライン1.5号、リーダーにフロロカーボンライン6号を1ヒロほどつないでおいた。底べったりを攻める釣りなので、細かいタナ取りは不要。したがってカウンターの必要もない。普段から使い慣れているベイトリールで十分だ。
夢のテーパー天秤500mm(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)オモリは50号を基本に、船の流れ方で重くしたり軽くしたりする。船が流れすぎるようなら、80号まで使うことも。
仕掛けは吹き流し2本バリ
使用する仕掛けは、一般的な吹き流し仕様で全長は1ヒロほど。複雑な仕掛けではないので、今回は自作した。詳細は仕掛け図を参考にしていただきたいが、キモは枝スを出す親子サルカン。
吉田製作所・夢の天秤470mm(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ここで金属製の接続具を使うことで、仕掛けを確実に底にはわせる狙いがある。それでも仕掛けが浮いていると感じれば、先バリの上にガン玉などを打ってもいい。
海上釣り堀並みに多種のエサを用意
未知の部分が多いシロアマダイ狙いで、最も悩んだのがエサ。オキアミが定番だと聞いてはいたが、佐々木船長に聞いたところ最近ではアオイソメやボケ、そして生きたバナメイエビでも釣果が上がっているらしい。
くわせオキアミスーパーハードL(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)特に大きめのバナメイエビには、大型のシロアマダイが食ってくるようだ。
冷凍ホタルイカ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)今回用意したエサはオキアミ、アオイソメ、ボケ、冷凍ウタセエビ、活きバナメイエビ、冷凍ホタルイカ。
ボケ&アオイソメ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)まるで海上釣り堀に行くのかと思うほど、多種を用意した。
活きバナエイエビ&冷凍ウタセエビ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)いざ出船
出船前に佐々木船長の息子さんの省吾さんからポイントについて詳細な説明があった。ざっくりいえばサイズは落ちるが数が出やすいのが、水深40m前後の浅場。アタリは少なくなるが、大型が出やすいのが60m前後の深場ということだ。この2つのエリアは隣接しており、40~60mの間を丁寧に流していけばまず釣果には恵まれる。
その他、注意事項を聞き渡邉さんの操船でいよいよ出船。ポイントまでは20分ほどだ。魚探に映るターゲットではないので、水深と底の形状を見てポイントを判断する渡邉さん。風は南からそよ風程度吹いている。
レンタルボートの場合、大型船のようにスパンカで船を立てるわけではなく、基本的にドテラ流しで攻める。流されて仕掛けが底をキープできないようなら、オモリを重くしていきそれでもオモリが浮いてしまうようならパラシュートアンカーを入れて調整する。
オモリで底をたたいて誘う
開始当初はさほどボートが流れないので、そのままで開始。オモリは50号だ。シロアマダイに限らずアマダイは、砂泥の底に潜り込んで目の前を通るエサを捕食する。そのエサが巻き起こす砂煙に反応するので、オモリで底をたたいて砂煙を上げながら、仕掛けを底にはわせてエサを食わせる。
レンタルボートでの釣り風景(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)1にも2にも、いかに仕掛けを底にはわせるかがキモとなるわけだ。またシロアマダイはエサを求めて積極的に泳ぎ回ることはあまりない。目の前にエサを持っていくことが重要だ。そのためにはある程度ボートが流れてくれないと、同じ場所ばかり釣ることになる。無風で全く流れないのであれば、船外機で強引に船を動かすのも手だ。
1匹目は30cm級
開始して30分、0.2ノット程度でボートが陸寄りに流されるなか、石川さんのサオが曲がった。「あまり大きくないですよ」と言いながら巻き上げると、水面下に見えたのはまぎれもない本命。1匹目なので丁寧にタモで取り込んだのは、アオイソメが口からはみ出た30cm級のシロアマダイだった。
ファーストヒットは30cm級シロアマダイ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)だがここから修行の時間が始まった。風がなさすぎてボートが流れないのだ。時折渡邉さんがエンジンをかけてボートの位置をずらすが、決して広範囲を探れるわけではない。
シロアマダイが生息しているエリアは、根や瀬があるわけではなく本命以外ではイトヨリが交じる程度。根周りのように決してアタリが多いエリアではない。
デミ潮に大苦戦
この日悩まされたのは無風だけではなく、デミ潮だ。デミ潮とは春特有の潮で、ちぎれた海藻やプランクトンの死骸が海中に多く浮遊し、まるで春霞のようになってしまうこと。このゴミ(デミ)がラインにまとわりつき、とにかく釣りにくい。PEラインはもちろん、リーダーの結節部やテンビン、サルカン、ハリのチモトまで付着し、仕掛けを上げるたびにデミの除去作業に追われる。
レンタルボートでカイワリ手中(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)またデミがラインにまとわりついたまま巻き取ると、トップガイド周辺にたまっていき、そのままだと穂先を追ってしまう危険もある。そのためいちいちラインに付いたデミを取る作業がとにかく面倒だった。
大物狙いで深場へ
修行の時間が続くなか、渡邉さんが移動を決断した。向かったのは、水深60m前後のくればデカイぞポイントだ。ここで早々にサオを曲げたのは生きバナメイエビで付けていた牧田さん。激しくたたく引きは本命っぽくない感じ。予想通り上がってきたのは、色鮮やかなイトヨリだった。しかも40cm級の良型だ。
レンタルボートでイトヨリキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)そしてそのまま流していくと、石川さんから「食った!」の声。サオが一気に絞り込まれ、ドラグが滑ってイトが出される。「コレ、アマダイの引きじゃないですよ」という石川さん。確かに本命の引きにして、パワーがありすぎる。
モンスターとの格闘
とにかく底が切れないのだ。石川さんの使用している仕掛けは遠州灘仕様で、ハリスは4号。ある程度安心感はあるが、それでも不安になるほどのパワーを見せる。ようやく底を切って、少しずつ上がってきたが、中層でもうひと暴れ。「マダイのデカイやつかな」と石川さんは言うが、確かにこの引きは大ダイでなければ説明がつかないほど強烈だ。
中層からも一進一退の攻防が繰り返され、ようやくリーダーが入った。そして渡邉さんが「シロアマや!デカ!」と叫ぶ。リーダーとの結節部にデミがたまり、それ以上巻けなくなったため石川さんはリーダーを手で手繰り上げ、無事ネットイン。その圧巻の姿に一同立ち尽くす。まさにモンスターシロアマだ。
「60あるんじゃない?」という渡邉さんの言葉にメジャーを当てると、なんと61cm。後で聞くと、フィッシング光栄の過去の記録が57.5cmとのことなので、堂々の記録更新となった。なおこのビッグワンが食ってきたのはホタルイカだった。
終盤にも時合い
その後は40mラインと60mラインを往復し、デミに苦しめられながらも釣り続けていくと、終了1時間前に時合いが到来。牧田さんが40cmまでのシロアマダイ2匹にカイワリ、イトヨリを仕留めたところで終了となった。ラストの2匹もエサはホタルイカだった。
レンタルボートでシロアマダイ手中(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)デミ潮が消えれば期待大
今回やっぱり目を引いたのが61cmのモンスター。数的には貧果の部類だろうが、カリスマからは「こんだけひどいデミの中でこんだけ釣れたら上等!」とおほめの言葉をいただいた。
聞けば春のデミ潮がひどいときは、良かったことはほとんどないらしい。ということは、このデミが消えれば船中2ケタなんてことも夢ではない。
レンタルボートでシロアマダイ手中(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)シロアマダイに関しては、いつが最盛期……というのは、まだ分かっていない。逆をいえば年中釣れているのだ。オールシーズン狙える三浦沖のシロアマダイ、レンタルボートで、仕立船でぜひレアターゲットを狙っていただきたい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>


















