レトロタックル(釣具)のススメ 【魅力・メンテナンス・長く使うコツを解説】
2023年05月19日 16:30
抜粋
旧車の高級モデルはおいそれと手が出せる世界ではないが、レトロ釣り具の世界は、もっと気軽に楽しめる。また、それを使って実際に釣行し、釣果を手にすることができれば楽しみもさらに拡がるだろう。今回はそんなレトロタックルの楽しみについてまとめてみた。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター牧野博)


レトロタックル(釣具)とは
昨今、趣味や道楽の世界では、レトロブームが一つのトレンドになっているようである。例えば車の世界では、一般的に旧車と呼ばれているスポーツモデルや高級セダンの中古車、アパレルの分野では、ビンテージ物の古着などが注目を集めている。
レトロタックルに、厳密な定義などないと思う。ただ、あるジャンルの釣りを10年、20年と続けているアングラーなら、自身が当時使っていた、あるいは人気があったモデルを釣り場で見かけると、「懐かしい」と感じるだろう。
最近は釣り竿やリールもモデルチェンジのサイクルが2~3年と短くなっているが、モデルのブランド名は引き継がれてゆくことが多い。何代目……、何年式……といった具合である。キャスターの間でも、使っている竿を尋ねられたら、ブランド名で会話をしたりする。メーカーはこのブランド名を大切にしているが、その初代タイプならば、レトロタックルと呼んでもいいように思う。
レトロタックルとの出会い
レトロタックルに出会うには、中古の釣り具専門店をのぞいたり、ネットオークションなどの情報を得るのが一般的な方法といえる。また、確率はぐっと低くなるが、町の小さな釣具屋さんにエサを購入するために立ち寄った時、昔の竿やリールがしれっと陳列されていたりすることもある。
長年あるジャンルの釣りを続けておられるアングラーの方なら、手持ちの竿の数も2ケタに達しておられる方もいると思う。そうしたコレクションには、レトロタックルと呼べるものが多い。
レトロタックルを使う楽しさ
竿やリールも素材やメカニズムが常に進歩している。特に竿は、アングラーの手足として機能する釣り具であり、それ自身の中にはコンピューターや機械的なメカニズムが全く入っていない分、反発力や操作性、調子など、アングラーがその感触を体感できる部分は多い。
レトロな投げ釣りタックル(提供:TSURINEWSライター牧野博)例えばハイカーボンの投げ竿で、30年前の竿と最新の竿を振り比べてみると、曲がりの調子や穂先の返りの速さ、細さやそこからくる振り切りやすさなどの違いが体感できるので非常に面白い。
自分の釣りとマッチ
また、長年あるジャンルの釣りをされているアングラーの方なら、レトロと呼べるタックルの中にも、特に自分の釣り方などにマッチして使いやすく丈夫で、古くても捨てがたいモデルがあると思う。こういうモデルは結構入念にメンテしたりするもので、これもレトロタックルの興味深い世界といえるだろう。
そんな竿やリールで新しいタックルとそれほど遜色なく釣りが楽しめたなら、結構おもしろい釣行になるかもしれない。
周囲から注目されることも
竿やリールのデザインなども時代によって流行がある。それを使って釣りをしている時、竿やリールのデザインはあまり意識していない。そういう意味では、クルマのスタイリングと似た要素があるかもしれない。しかし釣りを終了して竿の継ぎを解いた時、巻き糸などのデザインは目に入る。
また、他のアングラーは意外に竿などの道具を見ているものである。これは完全に自己満足の世界であるが、隣で釣っているアングラーに、「それどこのメーカーの竿ですか?」などと聞かれることもよくあった。そんなときのやりとりも結構楽しいもので、レトロタックルは、アングラーに、使う楽しさ、見る・所有する楽しさを同時に味わわせてくれる。
使用上の注意点
例えば竿の場合、当時の最高級モデルであっても、今の最新の竿との間には、20年、30年といった時の流れがある。
その間に素材や製竿技術が進んでいるので、最新の竿と比べ、反発力や、操作性などはやはり差がある。リールなども然りで、軽さでは同等であってもベアリング数やストッパーの技術、摺動部分などの工作精度は大きな差があるので、使用感やスムーズさはやはり最新のリールの方が上である。
また、レトロタックルと呼べるような竿やリールの場合、メーカーの部品ストックなどはほぼ皆無であるので、メーカーによる純正パーツでの修理は難しい。
メンテナンス・保管
今の最新のタックルと、それほど大差ないメンテナンスでOKである。竿なら使用後にガイドやボディーの部分の塩分を流して、水気をふきとって陰干しする。
リールならラインローラーやハンドルの回転部分にオイルを差して、作動を確認する。本体のフタが開けられるなら、メインギアやシャフトの部分にグリースを塗布することも可能である。その一方、今のリールのようにウオッシャブル構造にはなっていないので、塩分を洗い流す時には、内部に水が入らない様に注意する必要がある。
リールオイルを少量しみこませたウエスで、ボディーやローターの部分を拭き取りすると、若干サビや腐食を少なくすることができる。
長く使うためのアイデア
メーカー修理が難しいので、上記のような使用後のメンテナンスをしっかり行うとともに、部品なども自分で確保することが必要である。
メカに強かったり、機械ものの扱いに慣れているアングラーなら、自前でアレンジすることも可能と思うが、一つの方法として、同型機を複数揃える方法がある。
具体的には、中古の釣り具専門店などで、幸運にも自分が使っているレトロタックルと同じ型式で同じ号数の竿やリール、あるいは部品の互換性のあるリールが出ていて、購入できる妥当な価格であったなら、購入する。つまり同型式の竿やリール、姉妹機を2台以上持っていれば、そのうち1台は部品取り用として使うことができる。もちろん2機以上で置き竿の釣りで使用することも可能だ。
レトロタックルでキャッチしたキス(提供:TSURINEWSライター牧野博)リールの場合、ラインローラーやギア、ハンドル、ベールなどの部品を確保できるうえ、特に投げ専用リールの場合、替えスプールが確保できることが大きく、釣行の時には便利である。また竿なら、新しいガイドシステムのガイドセットを一式購入すれば、元からついていたガイドを外して、新しいガイドシステムに付け変えることも可能だ。ガイドを付け替えることで、かなり使いやすくなることも多い。
私の場合、レトロの投げ竿はKガイドかローライダーガイドに交換しているものが多く、PEライン中心の釣りでも使いやすくなった。ガイド交換、ラッピングの時も巻き糸の色に悩んでしまったりするが、これもレトロタックルの楽しみの一つであり、釣りに行けない時のインドアフィッシングには格好のアイテムといえる。
ガイドのラッピングも、最初は少しハードルが高いかもしれないが、回数を重ねるごとにうまく巻けるようになってくる。ラッピング後の巻き糸部分のコーティングは、ラッピング以上に技術が必要な工程といえるが、この部分だけをプロの職人の方にお願いすることも可能である。
レトロ釣具は魅力たくさん
レトロタックルは、使う、眺める、自分流に改造するなど、様々な楽しみ方のできる釣り具といえる。
最新の道具の性能は確かに素晴らしいが、レトロタックルの中にも、意外に使いやすかったり、丈夫な構造になっていたり、デザインなどで入念な仕上げをされているものもあり、あなどれないものである。そんなレトロタックルの世界を、釣りの楽しみに加えてみるのはいかがだろうか。
<牧野博/TSURINEWSライター>
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