志摩沖のSLJ(スーパーライトジギング)釣行でオオモンハタ好調【釣船屋たにぐち】
2023年07月15日 11:30
抜粋
近年大人気のSLJ。スーパーライトジギングの略だが、狙える魚の豊富さとよりライトなタックルでのスリリングなファイトが魅力だ。今回はそんなSLJ発祥の地とも言われている三重県・志摩沖が舞台。南伊勢町宿浦から出船している釣船屋たにぐちにお世話になり、このエリアのSLJを掘り下げてみた。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)


志摩沖の特徴
ひと口に志摩沖といっても、広大でとても広いエリアを指す。黒潮がガンガン当たる沖やトンジギをやるような所も志摩沖だし、ライトジギングやディープタイラバの舞台となるミドルディープエリアも志摩沖だ。
SLJでヒットしたオオモンハタ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)そしてSLJのフィールドとなるのは、その中でも比較的浅いエリア。水深は20mを切るような所から40m台まで、状況に応じて70~80mラインを攻めることも。
ボトムは総じて岩盤や岩礁帯が多く、ハタ類やカサゴ類がとにかく豊富だ。だが根掛かりのリスクもそれなりにあり、しっかりとしたボトムタッチの認識が必要不可欠となる。
ターゲット
志摩沖で釣れる魚種は非常に豊富だ。その中でもこの時期に本命視されているのがイサキだ。梅雨イサキといわれるように、この時期は産卵を控え身はぽってり厚みを増し、脂も乗りもぐんと良くなる。オキアミで釣るイメージが強いと思うが、魚食性も強くイワシや小アジなどのベイトを追い回すことが多い。
SLJでマダイ登場(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)他に最も多いのがボトム周辺に潜むハタ類。オオモンハタやアカハタが多く、まれにクエやマハタなども上がっている。近年は温暖化の影響か、チャイロマルハタやルリハタなど、南方系のハタ類もちらほら見受けられるようになってきた。
SLJでマトウダイゲット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)マダイやワラサなどのヒットも多く、状況次第で何が掛かるか分からないという面白さもある。他にホウボウやオジサン、フエフキ系の魚も多い。この通り、浅場で釣りやすい上にこれだけ魚種豊富なフィールドもなかなかない。
SLJでホウボウキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)2人の乗合で出撃
取材日は6月19日。この日は岐阜県可児市の市岡さんと、地元南伊勢町の山寺さんの2人の乗合だ。午前5時すぎに谷口智樹船長から簡単な説明があり、いよいよ沖へ向かう。
御座岬を回り込んだところでエンジンがスローになり、いよいよ釣り開始のアナウンスが流れた。水深は21mだ。
タックル
前述の通り、志摩沖のSLJは浅いポイントが多い。したがってスピニングタックルの使用頻度が非常に高い。SLJ人気を受けて各メーカーから多くのロッドが発売されているが、最初の1本として選ぶなら6~7ft前後の操作性のいいファーストテーパーのロッドを選ぶといいだろう。
SLJのタックル図(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)リールはスピニングリールの3000番前後。パワーギアでもノーマルギアも、好みで選べばいいと思う。巻いておくラインはPEラインの0.6号。これにリーダーとしてフロロカーボンラインの3~4号を3~4mほど接続する。
タックルはスピニングを中心にベイトタックルも(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)使用するジグだが、水深や潮の速さによって使い分ける。重さは40~100gが主流。シルエットが小さいタングステン製のジグを使う人が多いが、決して鉛が不利というわけではない。鉛製のジグでも十分が実績があるので、さまざまな形状や重さのものを用意しておくといいだろう。
当日使用したジグ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)フックは2本バリ(タンデムフック)が主流。ジグを抱かないことが大前提となるが、完成品も多く販売されている。根掛かりの多いポイントならフロントのみ、中層をメインに探るなら上下にセットする。
いざ実釣
船長の合図とともに市岡さん、山寺さんともに前方に軽くキャストしてボトムまで沈めていく。2人ともジグはダイワTGベイト45g。山寺さんはスピニング、市岡さんはベイトタックルだ。
朝イチは水深20mからスタート(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)風がほとんどなく、海面は鏡のように穏やかだが、潮はそれなりに効いている感じ。期待できそうだったが、最初のポイントではヒットコールはなかった。
沖からの潮が差して激流に……
ポイントを転々していくが、魚の反応が今ひとつなため谷口船長は移動を決断。さらに浅い岩礁帯メインのポイントへと向かう。だがポイントに近づくにつれ違和感が。見ると、ある線から向こう側が異常に波立っているのだ。その手前はベタナギ。船長に効くと、浅瀬に強い潮流が当たり、吹き上がって波立っているのだとか。
浅場は激流となり激しい潮波が立っていた(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)これは沖から透明度の高い高水温の潮が入ってきたときに起きる現象。船は徐々にその潮波の方向へ流されていき、中に入ると大きく船が揺れる。ジグを落としてもかなり浅いにもかかわらず、大きく流されて釣りにならない。
いったん潮波から離れて流し直すが、あっという間に流されてしまう。海の透明度は異常に高く、最浅部にくるとはっきり底まで見える。
市岡さんはジグを60gに上げるが、やはりこの激流ではボトムタッチの確認はかなり難しいようだ。よく漁師さんや船長が言う「カンカンの潮」というやつで、黒潮の蛇行が大きく影響しているようだ。この潮が入るとSLJはかなり厳しくなってしまう。
流れの緩いエリアへ
船長から「移動します」のアナウンスで、今度は潮の緩いポイントへと向かう。ここで少し風が吹き始めて、船が適度な速度で流れ始めた。これはいい感じだ。
エソだけは元気いっぱい(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)時折2人のサオが曲がるが、上がってくるのは爬虫類顔のカラフルなエソばかり。
風下側の釣り座で表層から攻める
ハタ類やカサゴなど根魚を狙うのであれば、ドテラ流しの風上側に釣り座を取り、前方にラインを払い出しながらボトム付近をねちっこく攻めればいい。だが、イサキやマダイなどの中層魚を狙うのであれば、志摩沖ならではの攻め方がある。
それはまず風下側に釣り座を構える。風は背中側から当たるはずだ。ジグはスピニングタックルで思い切り遠投し、着水したらすぐにベールを返してカーブフォールさせていく。風下側なので、船はどんどんジグの着水点に近づいていく。
その分ラインが緩んでいくので、その分を巻き取りながらラインテンションを保ちつつ、フォールさせていく。ここでのキモはラインテンションを緩めないこと。緩んでしまうと、フォール中のアタリが取れなくなる。
そのままある程度まで沈めたら、ボトムに到達する前に軽くシャクリを入れて再び上層まで誘い上げる。そして再びラインの緩みを取りつつ、カーブフォールさせていく。フォールに抜群の反応を示すイサキやマダイには抜群の効果を発揮するが、ジグの着底に気づかないと根魚が食ってしまうか、根掛かりしてしまうかのどちらかになる。
オオモンハタやアカハタが続々
市岡さんは風下側、山寺さんが風上側で釣り続けるが、ようやくのヒットコールは山寺さんだった。ULクラスのロッドが大きく弧を描き、船長がネットインしたのは40cm近いオオモンハタ。
このライトロッドの曲がりがSLJの醍醐味(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)続けて市岡さんが、小型ながらアカハタを抜き上げる。やはりハタ類の魚影は抜群に濃い。
小ぶりのアカハタに苦笑い(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)谷口船長によれば、山寺さんはオオモンハタ名人らしく、その言葉通りその後も山寺さんにヒットするのは大小のオオモンハタばかり。一方の市岡さんもオオモンハタやカサゴを上げていくが、小ぶりのものが多くリリースする場面も多く見られた。その合間にもエソは元気いっぱいで、赤いヤツからちょっと茶色いヤツまで、大小さまざまなエソが顔を出してくれた。
小型の根魚はリリース(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)その後は湾口の磯に近いポイントへ。水深は20mを切る所が多く、底もゴツゴツした岩礁がほとんどだ。ここでも根魚が多彩に顔を見せてくれるが、イサキやマダイなどの中層魚の反応が皆無だ。やはり沖のカンカン潮の影響か……。
あえなくタイムアップ
そして最後に砂浜の沖のポイントへ。ここはマゴチの実績が高いらしい。根掛かりの心配がないので、ジグをボトムから反さず探るが、やはりエソがヒットするだけでタイムアップとなってしまった。
SLJでサバ登場(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)今回は根魚だけの釣果になってしまったが、志摩沖のSLJのポテンシャルはこんなものではない。直近の釣果ではハタ類はもちろん、良型マダイや大サバ、ホウボウ、カサゴ、ヒラメ、マトウダイなど、さまざまな魚種が上がっている。イサキの気配も十分で、今後この激流潮が落ち着けば十分狙えるはずだ。
SLJでヒラメ手中(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)本命を絞って釣行するのもいいが、おいしい魚を多種類狙う五目釣りのような感覚で楽しむのがお勧め。ぜひ夏の志摩沖でスーパーライトに楽しんでいただきたい。
SLJでヒットしたカサゴ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

















