秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおう

2023年09月22日 11:30

[TSURINEWS]

抜粋

年中磯へ通う私だが、最近磯の上で真夏の日差しを受けると、本当に身の危険を感じるようになってきた。ちなみに今年の夏の釣行は3回のみ。気温37度、無風の磯は本当にヤバい。他の磯釣り師たちはアユ、または夜釣りのイカへ完全シフトするのだが、9月に入ると次第に磯へと戻ってくる。各メーカーからは新製品が登場し、トーナメントシーズンが到来する絶好の季節。今回の記事では私がメインとして活動している磯のフカセ釣りだけではなく、秋磯を広く捉えた楽しみ方を解説していこうと思う。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおう

磯の王道グレ釣り

最近グレ狙いじゃないお客さんの層がすごく増えたなぁ……と感じる。釣友は一年中ヤエンでアオリイカを狙っているし、ブッコミ釣りしかしない釣友もいる。ルアーマンも増えた。食欲の秋という言葉もあるが、秋磯はいろんな魅力があるので解説していこう。

まずは私がメインとしている上物のフカセ釣りについて解説していこうと思う。やはり狙うのは王道とも言えるグレ。エサ釣りの中では最も競技性が高く難しく、敷居が高いと感じる釣りだ。よって新規参入の人が少なく寂しいのが本音だが、その難しさから取りつかれたら抜け出せない魅力のある釣りだと思う。

フカセ釣りはまきエサをまいて、その中へ仕掛けを入れて釣るエサ釣りだ。手前を釣ったり遠投したり、潮に仕掛けを乗せて流したりと三次元的に考えても無限に釣り方があって、磯釣りと呼ばれるジャンルの中で唯一ラインを出して探る釣りがこのフカセ釣り。

他の釣りは仕掛けをキャストして自分までの距離を探るのだが、この辺に最大の魅力があると私は感じている。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおう磯の王道グレ(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

口太グレと尾長グレ

グレには口太グレと尾長グレがいる。それぞれ性質が全く異なる魚なので、当然尾長を狙うなら回遊のある沖磯へ行かなければ釣ることはできない。秋はどちらのグレも狙うことができるのだが、近年の三重の海には特徴があるので、それを書いてみたい。

尾長グレ狙いで沖磯へ渡礁すると、良い潮に遭遇する場合がある。狙いはまきエサが下へ入っていく場所だ。湾内の流れのない池のような場所でまきエサを打つと真下へ沈下していくが、沖磯はそうはいかない。潮流があってサラシがあり、海風も強く吹く。まきエサは流れに乗って流されていく。

だが潮がぶつかって下へ流れる場所が必ず存在していて、そういう場所にはまきエサがたまる。つまり魚が集まりやすい。そういった場所でないと釣れないのだ。

もう1つ、特徴的なことがある。狙いの尾長グレが釣れたとしよう。しかし次に釣れたのは口太グレだった。これは尾長グレの時合いの終了を意味していて、口太グレからアイゴに変わるともうグレは釣れない。秋磯はまだ夏を引きずっているので、こんな海況になるパターンが多い。

美味なゲスト

フカセ釣りをしているとさまざまな魚種が釣れるが、食欲の秋と捉えれば何もグレだけがターゲットではない。手前に群がるエサ取りの中でもうまいヤツがいる。それはタカベとスズメダイだ。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおう沖磯では尾長グレが有望(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

小さい個体はリリースするとして、この2魚種は塩焼きにすると非常においしい。個人的にタカベはイサキを超える。傷みやすいのでライブウエルより、釣ったらすぐクーラーに入れることが必須。スズメダイは九州へ行くと、居酒屋などで登場する。実際スーパーでも「あぶってかも」という名で販売されているほど人気がある。取りあえずお土産として確保したいなら、群れているど真ん中を浅ダナ&小バリで狙ってみよう。

魅惑のカワハギ

秋の本命として、私も毎年楽しみなのがカワハギ。ウマヅラやウスバではなく、本カワハギを狙いたい。グレを狙っているとたくさんのカワハギが見えるときがある。フカセ釣りでアタリを取るのは難しいので、そんな時はがまかつから発売されている磯カワハギパーフェクト仕掛けがオススメだ。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおう磯カワハギパーフェクト仕掛け(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

カワハギを寄せるビーズからハリ、オモリまで全てがセットになっているので、ウキ釣りの仕掛けを切ってこれを結ぶだけでお土産がゲットできるという優れモノだ。ぜひタックルバッグに忍ばせておきたい。

カワハギを本気で狙うなら、エサはオキアミよりアサリの方が良い。マルキユーのくわせ生アサリがオススメだ。この時期のカワハギは何といってもキモがうまい。カワハギのさばき方は簡単で、ツノの横から背骨まで包丁を入れたらそのまま引っ張るだけできれいに頭と身に分かれる。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおうキモが絶品の本カワハギ(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

頭側にキモが残るので丁寧に外したら、酒で洗い熱湯をかける。すぐさま氷で冷やし、キッチンペーパーでしっかりと水分を取り裏ごしする。そこに好みのしょう油(私は九州の甘いしょう油が好き)を入れて混ぜれば、極上のキモじょう油の完成だ。薄造りにした刺し身をくぐらせれば至福の時が楽しめる。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおうウスバハギもうまい魚だ(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

二刀流で狙うアオリイカ

秋はアオリイカの季節でもある。この時期は新子と呼ばれるコロッケ~トンカツサイズが数釣れる時期でもある。磯でアオリイカを狙う場合、ヤエンの仕掛けを1本入れておいて、近くでエギングという二刀流がオススメだ。ヤエンは親サイズ狙いでエギングは新子狙い。そのためエギのサイズは2~2.5号といった小さめをチョイスしよう。私は釣研のエギスタ、マルキユーのダートマックスを愛用している。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおう秋はアオリイカの絶好シーズン(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

エギングで着底までカウントする人もいるが、秋のイカはヤル気があるので中層から表層にいると私は考えている。小魚を捕食するにあたって魚よりも遊泳力で劣るイカは、何かに追い詰めないと捕食することは難しい。その追い詰める何かが磯際であり、海面もその1つだ。つまりエギを巻いてきても磯際まで気を抜かないということ。

私の場合、磯際で再度フォールさせてイカが付いてきてないか毎投確認するようにしている。秋はエギに付いてくる新子が多いので視覚的にも楽しい季節だ。

青物と豪快ファイト

秋磯は青物の回遊も多い。何も沖磯に限ったことではなく、湾内にも青物は入ってくる。そうなればフカセ釣りよりもルアーの方が絶対釣れる。遠距離で狙いたい場合にオススメなのが、ジグと鉄板バイブレーション。青物の群れの向こうに投げて、ナブラを高速巻きで横断するイメージで釣る。間違ってもナブラのど真ん中に投げないこと。見切られるならペンシルやミノーに替える。ヒット後は青物特有の横走りを存分に楽しみながらファイトしよう。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおう青物狙いではルアーが有利(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

他にルアーで狙える魚種としてはヒラスズキ、シオ(カンパチの幼魚)、ハマチ、シイラ、カツオだ。特にカツオはルアーを見切るのでヒットさせるのが難しい。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおうカツオは食わせるのが難しい(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

タックルは私の場合、本格的なルアータックルを持っていくワケではない。基本的にフカセ釣りがメインなので、予備的にエギングロッドを忍ばせている感じだ。ただ、青物と戦うことも念頭に置いているので、硬めのロッドと巻いているPEラインもエギングでは不要と思える1~1.5号を巻いている。これで80cmぐらいまでの相手なら時間をかければ戦える。実際尾鷲ではデカイシイラもキャッチしている。

冷凍エサで狙う大型ハタ類

そしてまだそんなに広まっていないが、個人的にアツい釣りがある。それはロックフィッシュなどハタ類をターゲットとしたエサ釣りだ。基本的な底物ロッドに底物用のリール、ピトンを準備し、基本的な三点式の仕掛けに巨大なアシストフックまたは泳がせ用のハリを結ぶ。エサはスーパーで売っている20cmほどのアジ、サバ、ムロアジなど。1匹丸ごと付けて(大きい場合は半分に切る)キャストする。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおうエサは冷凍ムロアジやアジ・サバなど(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

着底するまでラインを出し、カケアガリなど底の変化のある所で、後は底物釣りと同じように待つ。エサ取り系のアタリはちょんちょんと触ってサオが舞い込まず、ずっと引いて跳ね上がってを繰り返す。ハタ系はちょんちょんの後でがつーんと丸のみにするので、穂先が舞い込む。

ロッドが突き刺さったら大きくアワセを入れ、その後瞬間的にゴリ巻きして上げてくる。その瞬間が大切なのは、相手のすみかで掛けている以上すぐ根に張り着かれてしまうからだ。一気に根から引き離さなければならない。いかに相手を根から遠ざけてやり取りできるかが、キャッチ率に直結しているのだ。

熊野のマブリカという磯でこの釣りをやったところ、大勢のルアーマンに囲まれるほどの釣果が出た。ハリの大きさを小さくすればアカハタも狙えるし、大きくすればチャイロマルハタ、オオモンハタといった魚種も狙える。

オモリの号数についても軽くしたり重くしたり、エサについてもローテーションしながら攻めていく。オモリを外してエサだけの重さでフワフワと沈めていったり、パターンを変えながらやった結果、なんと同行者にクエがヒット。当初大型のオオモンハタかと思ったが、引きが強烈でなかなか上がってこない。踏ん張っていないと海に引きずり込まれるほどのパワー勝負の後、海面に浮かんだ姿に感動したのを覚えている。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおうハタ類の主役はオオモンハタ(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

エサの入手方法だが、スーパーで売っているもので十分だが、渡船店の船長によっては漁師仲間から仕入れてくれる場合もある。生でなくとも冷凍でOKだ。生きて泳いでないと……と思うかもしれないが、私はいつも冷凍保存を解凍しながら使う。まきエサは基本的にしないので、そんなに大量に準備する必要もない。だからエサ代が超格安なのだ。千円もあればおつりがくる。この釣りを経験してしまうと、もう本格的な底物釣りには戻れないかもしれない……。

エサの付け方は、アゴの下から頭の一番硬い場所にチョン掛けする。基本置きザオだが、アタリが怪しくなってきたら手持ちにする。ゴンときたら即アワセを入れ、ファイトするためだ。釣った魚を生かしておくのはライブウエルよりストリンガーが良い。アカハタならライブウエルで十分だが、大型オオモンハタが釣れだすともう入れるスペースがない……となる。

最後に

私はフカセ釣り師なので、やはりエサ釣りで磯を楽しみたい。ルアーは手軽なので入り口が広く、多くの人を魅了しているのも分かるが、やはりエサ=本物の破壊力というか、攻撃力はスゴイと思う。ロックフィッシュのエサ釣りはまだまだ未開拓の釣りだ。本格的な装備のクエ師が見たら怒るかもしれないが、釣りは自由で気ままで楽しくあるべきだと私は思う。だから「この釣りはこうしなければならない」なんて垣根はない方が楽しい。

今回はいつものフカセ釣りだけではなく秋磯の魅力について解説してみた。「釣って楽しい」というよりは、「食べておいしい」にだいぶ寄ってしまった感じではあるが……。

秋の磯で楽しめる釣り物&美味なターゲットを一挙紹介 二刀流で欲張っちゃおう磯ではクエもヒットする(提供:週刊つりニュース中部版 東弘幸)

磯釣りは特に死亡事故が多く、危険なレジャーだ。波にさらわれる、滑落する、転倒してケガをするなどできる限りの危険を避けるための努力は必須だ。ライフジャケットや磯靴などの安全装備は必需品だ。

磯釣りで一番事故が多いとされているのが渡船の乗り降りの時。注意すべきいろんなルールがあるので初心者の人は遠慮なく船長に質問しよう。

多彩な魚種が狙える秋は絶好の磯釣りシーズン。ぜひいろんな魚種を狙って磯へ行ってみてはいかがだろうか。

<週刊つりニュース中部版 東弘幸/TSURINEWS編>

楽天市場で購入する
ダイワ フリームス LT3000-XH (スピニングリール)
14,157
ダイワ フリームス LT3000-XH■品名:LT3000-XH■ギア比:6.2■巻取り長さ(cm/ハンドル1回転):93■自重(g):225■最大ドラグ力(kg):10.0■ハンドル長さ(mm):60■ノブ(S互換):HG-T■ベアリング...
楽天市場で購入する
目玉シンカー 25号 金 2個入 船釣りオモリ 底物釣り用おもり YAMASHITA ヤマシタ ヤマリア 609-011 釣り具 Ks1851
1,327 送料無料
目玉シンカー 25号 金 YAMASHITA 4510001609011 609-011 船釣り用 目玉デザインのオモリです。 根掛かりしにくい丸形状です。 側面がフラットなので船上でも転がりにくくエサが付けやすいです。 カサゴ ガシラ オ...
楽天市場で購入する
サンライン シグロンPE X8 マルチカラー 200m (PEライン) ゆうパケット可
2,464
サンライン シグロンPE X8 マルチカラー 200m (PEライン)■カラー:マルチカラー/200m単品≪サンライン PEライン≫●ミクロピッチ製法で組み上げた滑らかな8本組「EX-PE」ラインです。●8本組で作り上げたバランスのよい真円...
楽天市場で購入する
アジング メバリング ワーム ワームセット (50個入り)小型ワーム Blue Ocean
1,000 送料無料
アジングワーム 50個

この記事を見る