今が旬の絶品『マダラの白子』を狙う エサ釣りで船中53匹【克栄丸】
2020年01月30日 17:00
抜粋
荒波で知られる冬の日本海の底には、たっぷりの栄養を蓄えた白子を持つ冬に旬を迎えるマダラが潜んでいる。特にマダラは足がはやい魚で知られており、お刺身は釣り人の特権と言える。絶品マダラの白子を求め、極寒の新潟県寺泊港の克栄丸を訪れた。
(アイキャッチ画像提供:WEBライター・松浦)
克栄丸でマダラ釣り
1月10日(金)、新潟県寺泊港の克栄丸にてマダラ狙いで釣行した。今年は暖冬のせいか、海は比較的穏やかだったため、どうにか予約した日にちで釣行を行うことができた。というのも例年、悪い時だと時化で船が出られるのが月に数回程しかないのだ。
当日5時30分に港を出発し、ポイントまでの1時間半のクルージングが始まった。荒波で知られる日本海だけあり、船酔しやすい人はこの移動だけで脱落してしまう。もし船酔いが心配な人は、ポイント到着までは船内で寝て過ごすことをおすすめする。
そうこうしている間にポイントへ到着。早速、仕掛けの準備をして船長の合図を待つ。ちなみに今回は8人貸切のため、広々と釣りを行うことができた。
エサ釣りの仕掛けとエサ
マダラの釣り方は大きく分けて、ジギングと胴突き仕掛けを使うエサ釣りの2つがある。今回は、エサ釣りでマダラを狙う。
マダラは、水深1280m以浅(通常は150~250m)に生息しており、当日のポイントは水深300mのためオモリ200号の胴突き仕掛けの3本バリを使う。餌はサンマが基本で、その他イカやサバなども使用する場合がある。
港周辺の釣具屋は早朝から営業していて仕掛けもあるのでそこで買うことをおすすめする。だが餌で使用するサンマは釣具屋にはあまり売っていないので、事前に最寄りのスーパーで購入しておこう。
ただし船によっては使用するエサや仕掛けが違うこともあるので、予約時に確認しておこう。またその際エサも何がどれくらい必要かも確認しておこう。
エサのサイズと切り方
船長によると、半身を半分に切って使用するより半身をそのまま使用し縦に切り目を入れてヒラヒラさせた方が食いがいいとのこと。
確かにハーフカットと1枚ヒラヒラ餌では、後者のほうを使っている人の方が釣れている印象がある。餌の消費は多くなるがやってみてはいかがだろうか。
早々に本命マダラ浮上
船長の合図であるブザーと共に一斉に仕掛けを投入する。仕掛けがゆっくりと落ちていき、糸が止まったのを合図に底取りを行う。根がかり防止のために底から1m程巻き上げ、アタリを待つ。
この作業をしていると、手元へギュッと大きくゆっくりとしたアタリが伝わってきた。アワセを入れて電動リールのボタンを押す。いくら電動リールとはいえ、300m近く巻き上げると時間がかかる。
巻き上げられる竿先に魚の引きが現れる。この時間がたまらない。そして、現れた1匹目は、少々小ぶりなものの本命のマダラだった。幸先良くボウズ逃れを果たし、2匹目を狙い2投目。
後半はオマツリばかり
すかさずアタリが出て、巻き上げてくると今度は大型のマダラが現れた。1投目、2投目と幸先よく連釣して、爆釣を予想して釣れすぎた魚をどうするか考えていると、ここからオマツリが始まった。
どうやって仕掛けを投入しても周りとオマツリ。残念ながら残り時間はオマツリした糸を解いてを繰り返して、終わりの時間になってしまった。
しかし、それでも結果的には個人では2匹、船中53匹。十分な結果である。感覚的にはオマツリせずに無事仕掛けが海底へ着けば釣れるイメージ。そして釣果のマダラに白子が入っているかドキドキしながら帰路に就いた。ちなみに筆者は、残念ながら2匹ともハズレ。あまりの悔しさに翌週また船に乗り、どうにか無事に白子を口にすることできた。
マダラの白子
マダラは冬に旬を迎え、白子と卵を腹の中に宿す。特に白子が絶品で1度食べたら病みつきになる美味しさだ。軽くボイルしたものを、ポン酢をかけ口の中へ放り込めば祝福の時が訪れる。
一口噛むたびに、トロトロの旨みが濁流のように溢れでてくる。これがたまらなく美味しい。釣りたての新鮮なものだから臭みもなく半生でも食べることが出来るのだ。まさに足のはやいマダラを新鮮なうちに楽しめるのは、釣り人の特権である。
「強風、高波、極寒」この3つの苦労を忘れさせ、毎年この時期になると船へ足を運ばせてしまう。マダラは、それだけ魅力的を持つ魚なのだ。ぜひ一度新鮮な白子を求め、マダラ釣りに挑戦してみてはいかがだろうか。
<松浦/TSURINEWS・WEBライター>