夜の磯で楽しむ「ウキ釣り」のススメ 日中の釣りとの違いを徹底解説
2023年12月22日 11:00
抜粋
ようやく九州も冬らしく寒くなってきた。ということは、いよいよ磯の夜釣りで大物が狙える時期である。夜釣りの中でも釣趣のあるのは、やはり「ウキ釣り」。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版 松大)


冬の磯で夜のウキ釣り
夜グロに代表される冬の夜釣りは、この時期だけしか夜釣りをやらない!という人もいるくらい、ファンの多い釣りでもある。この釣り、実はコツさえつかめば、昼間の釣りよりも簡単に大物が釣れてしまうこともある。エキサイティングなその世界の一端に触れてみたい。
夜釣りの様子(提供:週刊つりニュース西部版 松大)夜釣りで大物が釣れる理由は、何よりも「魚の警戒心が薄らぎ、より陸地に近い場所へ寄ってくるから」。本来、昼であろうと夜であろうと、まずはまきエサをまいて魚をおびき寄せるという点で違いはない。大きく異なるのは、まきエサに寄ってくる魚のサイズや種類である。いうまでもなく大型の魚は警戒心が強く、昼釣りでは少しでもつけエサに不審な点があれば口を使わないし、釣り人の存在がより明確になる分、特に陸から近いほどまきエサへの寄りも悪い。要は魚にとっても、目視で危険を判断できる割合が大きいのだ。
一方で夜釣りでは仕掛け(ハリスやハリ)も当然見えにくくなる上、釣り人の存在も悟られにくい。目視で判断できる割合は大幅に低下する。昼に比べて極太のハリスや超浅ダナでも平然と魚が食ってくる最大の要因は、ここにあると考える。
人気ターゲット「夜グロ」を狙う
冬の夜釣りで最も人気のターゲットがクロであることは周知の通り。余談だが「夜グロ釣り」というのは、ほぼ九州、よくてその近隣でしか通用しない言葉である。
よく、「夜グロをたくさん釣るコツは何ですか?」という質問を受けることがあるが、一番に、「釣れなければ、とにかくいろいろなことをやってみる」と答えるようにしている。なーんだ、それじゃ昼釣りと何ら変わらないのでは、と思われても仕方ない。だが、キーワードは「いろいろ」という言葉にある。これだけは強く言いたいのは、昼釣りと夜釣りの「いろいろ」は根本的に違う所が多々あるということ。ズバリ、ここを押さえておかないと、せっかくその場に狙いの魚がいるのに、「つけエサを魚に食わせられない・釣りきれない」ということが多くなってしまう。
今回は、特に昼釣りの固定観念を切り捨てて、「これだけは!」という部分を中心に、ノウハウ(1)~(5)を伝えていきたい。
(1)足元から慎重に狙う
昼釣りでは、取りあえずまきエサをサオ先にまいて、仕掛けを沖に普通に投げて、流れに乗せて……という流れで、まず釣り始める人も多いのでは。だが夜釣りの場合は、本当に思いもかけないすぐ足元まで、大型魚は寄ってきていると考えていて構わない。自分の1mにも満たない、目と鼻の先にいる魚を狙わない手はないはずだ。
狙い始める場所は足元から(作図:週刊つりニュース西部版 松大)まずは、どんなに足元でも、昼間にはどんな魚もいそうにない浅いポイントでも、静かに、そーっと仕掛けを入れてみよう。まきエサもまかない1投目から、いきなりウキが沖めがけてぶっ飛んでいく、というケースは枚挙にいとまがない。沖を狙うのは、その後からでも決して遅くはないはずだ。
(2)仕掛けを遠くかつ広範囲に流す
「まきエサと仕掛けを同調させながら釣る」ウキ釣りでこれが大事なのは、誰もが知っているし実行している。
しかし、そのセオリーが通用しないケースに何度も遭遇してきた。一番分かりやすいのが、到底まきエサが届いていない(遠投しても直接届かせることもできない)と思われる沖めに仕掛けが流れて行った時、いきなりウキが消し込んでヒットするようなパターン。
潮に乗せて仕掛けを運ぶ(作図:週刊つりニュース西部版 松大)これが1尾であればたまたま運良く、と説明することもできるが、立て続けにヒットしてくることもあるからたまらない。はるか沖めにクロが多数潜む沈瀬があれば、つけエサのみが流れてきても、その1粒のつけエサを競うように奪い合うシチュエーションになっていることは十分に考えられる。
分かりやすくいえば、「潮を使わなければ仕掛けを届けられない、超沖めのポイント」に仕掛けを届けることができた時は、大チャンスということ。だが、往々にしてこの良い流れが変わる・止まることは早いもの。できれば少しでも手返しを上げ、同じポイントに仕掛けを通す回数を1回でも多くしたい。
(3)ひとつでも多くの足場から釣る
磯によっては、渡船で配布されているポイント図があったり、航空写真集にポイントが図示されていることも多い。ここでいうポイントとは、「1つの磯の、どこに立ってサオ出しするか」という意味でのポイントである。
動かないのはNG(作図:週刊つりニュース西部版 松大)しかし、このように図示されたポイントは、往々にして昼釣りでのポイントを指していることが多い。従って、夜釣りでこれに固執するあまり、1つの釣座から全く動かない=せっかくのチャンスをふいにしている人も多いのではないだろうか。先述の(1)(2)でも示したように、クロはどこに潜んでいるのか分からないのだ。
「夜グロは足で釣れ」という格言もある。要は少しでも多くの仕掛けが入れられる場所に、仕掛けを入れていくのを繰り返す、単純だが根気のいる作業と心得たい。
一晩で数周することも(提供:週刊つりニュース西部版 松大)独立瀬で外周を1周することができる場合、場合によっては一晩で数周することもあり、文字通り「拾い釣り」を地で行く感覚だ。
(4)エサは巨チヌ感覚で
夜も、エサ取りはさまざまな魚種がまきエサにどっと押し寄せてくる。これだけは昼釣りも夜釣りも何ひとつ変わらないのが、釣り人にとっても頭の痛いところである。
もっとも、夜の場合はまきエサワークや細かな浮力の調整などよりも、つけエサがハリに残っているか否かの方が釣果を分ける重要な要素である。
オキアミボイル3匹掛け(提供:週刊つりニュース西部版 松大)まきエサを直接狙いのポイントへ入れ、仕掛けもダイレクトにそこに入れる。つけエサは特大のむき身の2匹掛け、3匹掛けやLLサイズのボイルの房掛けなど、昼では考えられないほどのサイズと量をハリに掛けることが多い。
それらはエサ取りにつつかれて小さくなっていくが、最終的に下層(狙いのタナ)に届くときに少しでもハリ残りしていれば本命は十分飛びついてくるし、残りエサが大きく・多ければ、大型魚から先に飛びついてくることを何度も確認している。これは大型のチヌ狙い、特に練りエサを使ったチヌ釣りをイメージしてもらえば、応用はしやすいはずだ。
(5)ウキの視認性が重要
仕掛けについて。夜釣りは自分自身の目から得られる情報が、月夜などの時以外は、実質的にウキからだけに限定されてしまう。だからこそ、使うウキがもし中途半端に使いづらいものであったり、見づらい、分かりづらいものであれば、悪い意味で釣果にダイレクトに跳ね返ってきてしまう。反対に使い慣れたウキであれば、不審な挙動も分かりやすい上、浮力の調整なども行いやすいというものだ。
ウキ釣りの仕掛け(作図:週刊つりニュース西部版 松大)リチウム電池を使用して発光させる電気ウキもあるが、最近ではいわゆる使い捨てタイプの発光体と同じ使い方を可能にしながら、リチウム電池を使用することで、電気ウキ並みの視認性を実現した発光体もある。
LFエコライトを使用し夜グロキャッチ(提供:週刊つりニュース西部版 松大)「LFエコライト(釣研)」はその名の通り、使い捨てではなく任意の点・消灯も可能にした、よく見えて無駄のない発光体。昼釣りで使い慣れた棒ウキなどに装着すれば、ストレスなく快適なウキ使いが可能となる。もちろん、釣果にも良い形となって反映されるはずだ。
安全を最優先に
夜釣りと昼釣り、注意点・着眼点の違いについて挙げた。しかし第一に優先されるのは、やはり自分の身は自分で守ること。つまり、安全第一ということである。1m先に見える好ポイントに行くために足場の悪い場所を無理に飛んだりしない、好ポイントだからといって満潮時に沈む低い足場で粘らない、これらは簡単に防ぐことのできる、身を守るための第一歩である。
どうか気を付けて、最盛期の夜釣りを楽しんでほしい。
<週刊つりニュース西部版 松大/TSURINEWS編>






