能登半島地震後の富山湾でスルメイカ・鬼カサゴ・甘鯛のリレー釣行【強神丸】
2024年02月15日 11:30
抜粋
今年の初釣りでスルメイカや大型甘鯛などを手中にした富山湾での船釣りの模様をレポートしたい
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター宮崎逝之介)
能登半島地震の被害
今年の元日に発生した能登半島地震は石川県だけではなく、隣接する富山県にも大きな被害をもたらし、家屋の倒壊や道路の損壊などが相次いだ。遊漁関連においても港湾部の損壊や船の破損などが多数発生したと聞く。
筆者がいつもアカムツ釣りなどでお世話になっている射水市の強神丸は、辛くも被害を免れたが、1月初旬は被災者への配慮と安全面を考慮し操業を自粛。その後は、冬場の荒天の影響もあり初操業は1月下旬までずれ込んだ。運よく、その日、筆者も自身の初釣りとなった。
船や船長の様子についてはブログやLINEで把握はしていたものの、実際に強神丸スタッフである船長、奥様、息子さんにお会いできてほっとひと安心。
スルメイカ釣りからスタート
この日の釣りものは、スルメイカ・鬼カサゴ・甘鯛の豪華三本立てのリレーである。乗船者は8名。この日の天候は気温が低く寒さは厳しいものの、波と風は穏やかで時折晴れ間ものぞいた。6時30分の出船から約1時間後、船が減速する。船から望む能登半島に独り手を合わせた。イカの反応を探し、8時前にスタートフィッシング。プラヅノ仕掛けで狙う。オモリは100号で統一。
水深約150mで底から10mくらいまで反応と船長のアナウンス。オモリを前方に軽く放り投げると、プラヅノが小さな放物線を描いて次々と飛び出していく。仕掛けの長さが約10mあるので、指示ダナのさらに10m上くらいの130mあたりからサミングしてストップ&フォールのイメージでゆっくり仕掛けを落とす。と、さっそく乗りました。
ズシリとした重量感。中速で巻き上げる。巻き上げ中に竿先がクンクン動く感じがたまらない。無事取り込んで一杯目のスルメイカゲット。良型です。この日は単発の拾い釣りながら退屈しない程度にアタリがあり楽しめた。実釣3時間ほどで套長30cm弱の良型を頭にちょうど10杯のスルメイカをゲットした。一度だけだが2点がけもあった。10杯とはいえ型がいいので食べる分には十分だ。
続いて鬼カサゴ釣り
続いて鬼カサゴのポイントに移動する。竿先の仕掛けを天秤と吹き流し仕掛けに付け替える。餌はオキアミとホタルイカを用意した。船中で何匹も良型の鬼カサゴが上がったが、残念ながら筆者はゲットならず。
最終種目の甘鯛釣りで自己ベストサイズ連発
最後は甘鯛狙い。釣行時間が8時間もあるとはいえ、3種目リレーともなると少々慌ただしいのだが、竿とリールは同じものが使えるので仕掛けを交換するだけでよく、スムーズにリレーできる。
アマダイの仕掛けも天秤吹き流し仕掛けだ。筆者は長さ2.2mの市販のシンプルな2本針仕掛けを使用。餌はホタルイカとオキアミを用意した。
ボトム付近で仕掛けを漂わせて誘う。開始まもなく強いアタリに軽く竿をあおって合わせる。重量感がありかなり竿先を叩く感じだったので外道かと思ったが、大型の本命甘鯛だ。43cm1.2kgもあった。新年に嬉しい1尾だ。
さらに続けざまに強烈なヒット。ハリスを切られないようにドラグをゆるめ中速で巻き上げる。浮上しタモに収まったのは先ほどの甘鯛の上をいく45cm1.3kg。これは嬉しすぎる。
最終釣果
本命のスルメイカ10杯、甘鯛2匹のほかには、フクラギ(ブリの若魚の北陸地方の呼び名)1匹と筆者の初釣り恒例の定番ゲストになりつつある良型のエソも登場。実に魚種豊富な楽しい初釣りとなった。
今後のシーズン展望
富山湾のイカ釣りはようやく開幕した印象だ。シーズンは例年なら4月いっぱいから5月初旬くらいまで。もちろんイカだけの数釣りも楽しいが、今回のようにリレーでいろんな魚種を釣るのも魅力的だ。家に帰ってから食べる楽しみが増えるというものだ。
釣り人にできること
震災の復興を思うとき、筆者は、釣り人にできること、釣り人にしかできないことはなにかと考えてみる。釣り人にできることはたくさんあるが、釣り人にしかできないことはやはり釣りであろう。そして、遊漁関係者を支えられるのはなんといってもまずは釣り人だと思う。
もちろん震災後の自粛ムードも否定するものではないが、釣り人が釣りをすることが僅かでも遊漁関係者や被災地の背中を押す力になればと願わずにはいられない。
<宮崎逝之介/TSURINEWSライター>