入間川河川敷でセリ採りを満喫【埼玉】実は身近にたくさん生えている?
2024年03月03日 06:00
抜粋
「セリ採りにはまだ早いかな」なんて思いつつ、「今年は暖冬」とニュース等で伝えられている事実を信じ、2月10日に出かけてきました。当日は予想通り「時期尚早」だったものの、頑張って何とか晩御飯のおかず分を採ることに成功! 翌日腰痛になる程夢中になった当日の様子をレポートします。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)
セリ採りのポイント
セリは川辺や田んぼの畔、農地の水路といった水分を多く含む土地でよく見られます。「水分を多く含む土地」ということで、必然的に釣り場の近くがポイントになっていることが多く、釣りとセットで楽しむことも可能である他、年々、セリを知っている人が少なくなってきたせいなのか、近年3月~4月の最盛期となれば多くのポイントで採り放題!
確かにスーパー等で売られている立派なセリ(水ゼリ)に見慣れていれば、田んぼの畔や湿地に生えているセリ(田ゼリ)は丈、太さともに小柄で且つクネクネしているので、別物に見えてしまいますよね。
今回は専門で採りに行く!
基本セリ採りは大抵30分、長くても1時間ほどで十分な量を確保できるため、筆者は釣り、もしくは他の山菜採り(ノビルやカラシナ、フキノトウ等)とセットにすることが多いのですが、今回は時期がまだ早く、生えていたとして「小さめポツポツであるのでは」と考え、釣りの準備はせず、専門で採りに行くことに。とりあえず今年初として選んだ場所は、自宅から車で1時間程走った所にある入間川の河川敷ポイント。
ここは毎年安定して採れることに加え、国(国土交通省)の公有地であることを確認済である点も安心材料。時間をかけて、足を使って、じっくり採ろうと思います。
準備した道具
以前は、お手軽な入れ物としてコンビニ袋を使っていましたが、「プラスチックごみ削減」という世の中の風潮を意識し、昨年よりバケツを持参するようにしました。
一ヶ所目のポイントで無事発見!
入間川の土手沿いに車を止めてくてく歩いていくと、長年お世話になっているセリポイントが見えてきました。パッと見、落ち葉で地面(湿地)は覆われ、セリはおろか、生命力にあふれる新緑の姿は見当たりません。
それどころか、日当たりが悪いこの湿地帯には5日前に降った雪が残ったまま。「趣のある景色だな~」なんて思いつつ、同時に「セリは期待薄かな」とも思い、長靴を履いて鬱蒼としたポイントに入っていきます。少しかがんで目を凝らすと……落ち葉の隙間からギザギザの葉がチラリ!
スーパーで売っているセリ(水ゼリ)とは程遠いサイズですが、田んぼの畔や湿地に生える、ちょっと色が濃いめの田ゼリとしては立派な15cmクラスもチラホラ。落ち葉の隙間にギザギザの緑を見つけたら、周辺の落ち葉をかき分けるとかたまって見つかるので、「1本見つけては周辺をかき分けて採る」の作業を繰り返します。
セリ採りとしては、相当効率が悪いのですが、宝探し感覚でこれがなかなか面白い! 魚釣りで例えたら、前日より若干水温が下がった時の根魚釣り、といった所でしょうか。因みに「水ゼリ」と「田ゼリ」は、単に生えている場所が違うだけで、種は同じです。
家族4人炊き込みご飯一回分を確保
水路等で群生していれば、ものの数分でバケツ満タンにできるのですが、2月前半とまだ時期尚早であるこの日は「見つけて、かき分けて、丁寧に採って」を繰り返さなければなりません。
従って、バケツ半分弱埋めるのに要した時間は1時間半。とはいえ、何とかこの日の目標である「家族4人分炊き込みご飯一回分」の確保に成功! かな~り腰にきてしまいましたが、清々しい思いでこの河川敷湿地ポイントを後にしました。
用水路でも水ゼリ発見
帰り道、「ひょっとしたら」と思い、遠回りをして用水路のポイントをのぞいてみると、予感は当たり、ほんの狭い範囲ですが立派なセリ(水辺に生えているので水ゼリですね)を発見! ササっと採り、炊き込みご飯にプラスして、もう一品分も確保することに成功!
セリ採りはお手軽な山菜採り
あくまで筆者の個人的な見解ですが、ほんの数年前までは、比較的わかりやすいセリの群生地は、地元の人を中心に知られており、それこそ早い者勝ち方式であっという間に採りつくされてしまうイメージがありました。
実は、今回行った河川敷の湿地帯ポイントは、もうかれこれ20年以上前に見つけ、筆者以外には知られていないであろう秘蔵のポイント。しかし近年は、わざわざ1時間かけてここまで来なくても、30分圏内で安定して採れるポイントばかり。
荒川河川敷にしても、戸田市やさいたま市といった東京に近いエリアでも簡単に見つけられる他、食するにはちょっと問題があるかもしれませんが、商業地・住宅地を流れる水路でもよく見かけるようになってきました。
ドクゼリに注意
セリについては厄介な点も一つ。筆者は奥日光で一度だけ出会ったことがあるのですが、ドクゼリと呼ばれる、いわゆる毒草も紛れていることも稀にあります。
見つけようと思ってもそう簡単に見つけることは叶わない植物なのですが、ドクゼリはスーパーで売っている真っすぐで立派な水ゼリに似ているので、慣れないうちは田んぼの畔や湿地に生えている、くねくねしていてちょっと色が濃い田ゼリにターゲットを絞って採る等をお勧めします。ただし、少しでも迷いが生じたら諦めることも選択肢に。
セリ料理
セリ料理の定番は、何といってもお浸しや天ぷらが真っ先に挙げられますが、炊き込みご飯や鍋等、様々な料理に使えます。
この記事がアップされるであろう3月は最盛期を迎えるため、多くのポイントにて腰を痛くしない程度の時間で、たくさん採ることが可能。たくさんとって、是非色々な料理を試してみてください。
春休み、家族連れのレジャーとしても最適だと思いますよ!
<尾崎大祐/TSURINEWSライター>