ヤマメ・アマゴ狙い渓流エサ釣り入門【振り込み方・流し方・アワセ方・やり取り・取り込み方】

2024年03月12日 17:00

[TSURINEWS]

抜粋

今年も太公望にとって待望の一大イベントであるヤマメ・アマゴ釣りが解禁。今回は釣り場での実践の基本をお伝えしよう。

(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

ヤマメ・アマゴ狙い渓流エサ釣り入門【振り込み方・流し方・アワセ方・やり取り・取り込み方】

振り込み&流し方

サオの振り込み方法はいたってシンプルで簡単だ。主に頭上空間のある開けた流域では頭上からのオーバースロー、頭上に木々のあるエリアでは腰下からのアンダースローや横からのサイドスローでピンスポットに振り込んでいく。

具体的には、ガン玉付近を左手でつまみ、右手に持ったサオのしなり(弾力)を利用してポイントのやや上流に向かって仕掛けを投入する。仕掛けが着水する直前にサオの動きをいったん止めて、仕掛けを少し張ってあげるとイト絡みが抑えられる。

ヤマメ・アマゴ狙い渓流エサ釣り入門【振り込み方・流し方・アワセ方・やり取り・取り込み方】オーバースロー(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

次に、水面下に仕掛けが吸い込まれたら速やかにサオや目印などの仕掛けを直角に立てて流れのスピードに同調させる。この時、サオを立てる動作を水流よりも早めて下流側にサオを傾けると仕掛けも早く沈むが、比例して根掛かりのリスクも増えるだろう。逆にサオを立てる動作を遅めると仕掛けにブレーキが掛かり、根掛かりはなくなるものの上層に浮き上がる。基本的には、これらの操作をうまく取り入れて底波から外さないように流していく。

サオの操作は、車のアクセルのように微調整しながら、脳内で水中の仕掛け・エサがどのように流れ、どこで食わせるかを常にイメージしながら操作することが大切だ。

ヤマメ・アマゴ狙い渓流エサ釣り入門【振り込み方・流し方・アワセ方・やり取り・取り込み方】アンダースロー(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

もう少し深掘りしてみると、流れに適合するように、流速や水深に応じてガン玉をこまめに交換し、エサが底波を自然に流れるように流す。オモリが適合していれば目印と水面はおおよそ直角になる。水面の流速に対して、目印が3分の1程度遅く流れたら、しっかりと底波に入り、ヤマメ・アマゴの定位場所に届けられている証拠だ。

仕掛けを流している間は決して仕掛けをブラさないように、しっかりとサオ元のグリップをホールドし、脇をしっかりと締めて体のブレも防ぐこと。ただし、流れのある川に立ち込む場合は、下半身に受ける水流の振動伝達を少しでも吸収させるために、脇を少し開いて対応する場合もある。また、流している間は、呼吸をゆっくりと吐きながら操作すると仕掛けがピタリと止まってくれることだろう。

さらに釣果を伸ばしていくために私は「自然」に流す、そして「誘い」ながら流していく釣法を取り入れている。

手順としては、まず自然に流し、スレていない高活性なヤマメを掛けていく。釣り残しがないように、最後の仕上げで低活性のスレヤマメを誘いの釣りで掛けていく。

この誘いの釣りは魚の位置を把握し、的確にヤマメの口元へ届ける「攻め」の釣りだ。この誘いの釣りをマスターすることで、飛躍的に釣果が得られるようになる。

エサ先行で流し、定位する場所で居食いしている状態であり、ヤマメ・アマゴも仕掛けの違和感に気づくことが遅れる。よって、釣り人にも余裕が生まれて、ひと呼吸おいた遅アワセでも十分ヒットに結びつけられるというわけだ。

流すイメージとしては仕掛けを上流側に倒し、立ち位置から下流側へ、お辞儀するようにサオを下げながら流していく。水流に対してブレーキをかけ、仕掛けを斜め(上流側)から底波に流していく。

ヤマメ・アマゴ狙い渓流エサ釣り入門【振り込み方・流し方・アワセ方・やり取り・取り込み方】水中の仕掛けとエサをイメージする(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

ブレーキをかけ過ぎると、仕掛けがすぐに浮き上がり、不自然になるので、常に底波をキープしながら流していく。そうすることで、水中イトとオモリの水抵抗がなくなり、エサ先行で仕掛けが流れてくれる。また、仕掛けの送りを一瞬止めることでエサがわずかに浮き上がり、ルアーのようにアピールできる。日ごろ口を使わないスレた魚も不思議と引き寄せることができる流し方だ。

注意点として、流し終わりでヒットする場合が多く、サオものされやすくバレ率も高い。ヒットしたら、足元に注意してサオを絞った状態をキープしながら、速やかに下流へ移動し(時には魚と一緒に走る)、やり取りを行う。

アタリ&アワセ

アプローチも成功し、自然に流下するエサのように演出することができればヤマメは躊躇なく口を使う。この時、目印にも明確なアタリがでる。水流のスピードに対して目印が急に止まったり、震えたり、水中に押さえ込まれたり、まるで目印に花が咲くように分かりやすく表れる。特に、流れに対して目印が止まり小刻みに震えることが多く感じる。このアタリは魚も安心して食べている証であり、早アワセをせず、ひと呼吸間を置いてからアワせても間に合う。

このように「自然に演出」する流し方ができるか否かで釣果に差が出てくる。魚がスレてくるとエサと一緒に泳ぎなから、口先で吸ったり吐いたりしながら食す。まるで、ハリを避けて器用にエサだけを食べる感覚だ。この時に彼らが少しでも異物と判断すれば速やかに吐き出し新たなエサを求めにいく。

アワセのタイミングは、この一瞬吸い込む時に目印が押さえ込まれたり止まったりする。その瞬間にアワセを入れる。理想では、この押さえ込まれる時間をいかに長く持続させるかでフッキング率も高まる。この工夫も釣り人次第でもある。

魚がその場所に居れば通常1回目の流しで何らかの形でアタリがでるもの。1回目の流しでアタリをアワせ損ねたり、一度でもバラシをしてしまうと、学習能力の高いヤマメ・アマゴは警戒心を増し、2回目以降の流しは、釣りが難しいものとなる。

よって、1回目の流しでアタリがあるものと肝に銘じ、集中力を高めながら仕掛けを流したい。ただし、これはハリが口元に接触していないケースに限る。これは、いわゆる「すっぽ抜け」といわれるが、2回目以降の流しでも十分にチャンスがある。

例えば、先行者後のスレたヤマメ・アマゴを狙う時は、1回目で素直に食い込むこと自体少なく、釣り人も工夫を凝らしながら2回目以降でヒットさせることが多い。

ヤマメ・アマゴ狙い渓流エサ釣り入門【振り込み方・流し方・アワセ方・やり取り・取り込み方】理想のアタリとアワセ(作図:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

アワセ方はサオの調子や長さ、そしてイトの太さによって変えている。軟らかいサオと細軸の小バリの組み合わせでは、細イトを多くと使用しているために、どうしても強くアワせられない。

そこで、アタリのタイミングを見計らい、両手持ちで、シャープに上方(70~80度)に向かってサオを止めないように立てる。サオを立てると魚も潜り込む力が加わり、小バリでもフッキングしてしまう。

一方で、硬いサオと太イトは太軸の大バリを使用しいることから、シャープに強めにハリ先が刺さることを意識している。また、4~5㍍クラスの短竿は片手持ちが多いことから、コンパクトに手首を返してシャープに鋭くアワセを入れる。

アワセは、力んでアワせてしまうと目印を含めた仕掛けが一瞬上下にバウンドするように踊ってしまう。これでは渓魚も違和感を感じ取り、瞬時にエサを吐き捨てて、すっぽ抜けが多発する。あくまでも脱力を意識してシャープなアワセを心がけることに尽きる。

やり取り

リールのないノベザオのやり取りは非常にスリリングで、釣りの中で一番の醍醐味(だいごみ)。特に9寸(約27cm)クラス以上のヤマメ・アマゴは一度ヒットすると、突進速度もすばらしく、流れを味方につけて力尽きるまで抵抗する。

ヤマメ・アマゴの特性を理解して、やり取りの対策を練っておけば手中に収める確率がグンと高まる。やり取りは強弱が大切。体力を奪っていく強引なやり取りと獲物を落ち着かせるやり取りを組み合わせて取り込みにつなげていく。

ヒットしたら、まず彼らは上下流に突進するだろう。なるべく水面で暴れさせず、中層でのやり取りを心掛け、体力を奪いながら主導権を絶対に渡さない気持ちで挑みたい。そのためには簡単にラインブレイクしない信頼のおける仕掛けが必要になる。

釣り人側がすきをみせたら体を回転したり、捻じったり、または激しく首振りしながら、流れに乗って下流へ下ったり、障害物に逃げ込もうとする。そうなるとラインブレイクやハリ外れのリスクが高まり、取り込み率を下げてしまう。一方のニジマスは直線的な突進速度とジャンプを繰り返し、激しくハリ外しの行動を取る。

ヤマメ・アマゴ狙い渓流エサ釣り入門【振り込み方・流し方・アワセ方・やり取り・取り込み方】やり取りは強弱が大切(提供:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

ヤマメ・アマゴの突進を抑えるためには渓流ザオの弾力を存分に活かして、強い引きをサオ全体で柔軟に受けとめなければならない。

魚を掛けた直後にサオを速やかに上流側へ倒し、根元から曲げてタメる体勢を取る。遠くから見ると派手に大きくサオがしなっていることだろう。これで獲物を上流に向かせて泳がせながら最初の疾走を止めなければならない。時には全身をショックアブソーバーとし、一緒に走って最初の引き込みを止めることさえある。

アユ釣りを経験すれば理解するだろうが、水中イトを上流側に倒し、水面とイトの角度が並行になるほど、魚に掛かる水抵抗はなくなりオトリアユもおとしく止まる。それとは逆に水中イトを真上から後方(下流側)へ倒すと水抵抗が仕掛けに大きくかかり、アユは必死に尾ビレを振って上流側へ泳ぎだす。

これをヒントにヤマメ・アマゴとやり取りしてほしい。一連のやり取りのなかで、注意すべき点は、いつまでもサオを寝かしすぎないこと。特に沈み石の多い流域では石裏(根)に入られてしまうリスクがある。そのような場所では水中イトの号数を上げて、サオを立て気味(約45度)で少々強引でも根に潜られないやり取りをしたい。

また、木々が覆い落差の大きい上流域では仕掛けイトもサオ全長より4分の1~3分の2程度短くなるため、獲物の頭上にサオ先があり、魚を吊るすイメージでやり取りすると動きを封じ込めることができる。

ヤマメ・アマゴ狙い渓流エサ釣り入門【振り込み方・流し方・アワセ方・やり取り・取り込み方】やり取り図解(作図:週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞)

ヤマメ・アマゴ特有の首振りは、体に抵抗を感じると全力で首を左右に振り、必死にハリ外しの行動を取る。これもコツをつかめば対処できる。首振り=サオのテンションが強い証拠なのでサオの曲がりをわずかに緩めてあげる。すると首振りを止めて大人しく泳ぎ始める。つまりはヤマメ・アマゴを仕留めるためのテンションコントロールが大切で、サオの曲げの強弱をつけて徐々に体力を奪っていく操作が必要だ。

あまりにも、ローリングと首振りの対策に慎重になり過ぎてはいけない。やり取りに時間をかけ過ぎたり、サオを曲げずやり取りしていると、ハリの刺し傷が広がったり、根に潜られてたりで、バラシの原因にもなる。特に尺クラスとなれば、釣り経験者は一度や二度、同様の苦い経験をしたことがあるのではないだろうか。やり取りでは強弱のメリハリを大切に意識しながら本命を手中に収めたい。

取り込み

水面下で渓魚の動きが止まり、口を開けた瞬間を見計らい、目視で20cm以下と判断すれば瞬時にサオ尻を後方に上げ、水面から魚を抜き上げてタモでキャッチする。タモを握る手は、タモ枠側の根元を握るとキャッチしやすい。

それ以上の良型になると泳がせて、いなしながらタモですくう。また、尺クラスの大物になると、ひとすじ縄にはいかないが、8の字に操作し、中層で何度も練るように泳がせながらやり取りする。そして3回ほど空気を吸わせると大抵は動きも止まる。

また、バラさない前提だが、やり取りすると、周囲の渓魚も感化され活性が高まり、アタリが持続する。ただし、一度でもバラしてしまうと、危険信号や匂いを発するのかアタリも途絶え、場荒れしてしまう。なるべく新規に狙うポイント付近で取り込まず、すでにサオ出し済みの下流などのエリアに誘導したい。

やり取りで渓魚が力尽き、動きが止まりだしたら、よく空気を吸わせること。次に速やかにロッドズームを伸ばし、サオ尻を前に出しながらサオを後方へ上げていく。すると、魚は釣り人側に寄ってくるので、頭からタモに誘導し取り込む。ここで慌ててタモで渓魚を追い回したり、尾ビレ側からすくい取ろうとすると逃げられバラしやすいので十分に注意する。

<週刊つりニュース西部版APC・津曲隼丞/TSURINEWS編>

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