細いラインを結ぶなら『3.5ノット』が断然簡単 PEライン何号までなら対応可能?
2024年03月16日 16:30
抜粋
釣り場で約1分でできる、超簡単な結束「3.5ノット」。細イトでは特に安定感が高く、強度も強い。これを覚えてしまえば、本線とリーダーの結束で、他のものを覚える必要もないとまで言えるだろう。ただ3.5ノットは、太いイトは結べない。では、どれくらいの太さまで、3.5ノットが可能なのか?基本的なノットの情報から、太さの限界まで解説したい。
(アイキャッチ画像提供:TSURINEWSライター井上海生)
簡単な3.5ノット
まずは3.5ノットの結束方法について、詳しく説明しよう。
(1)ライン本線とリーダーを重ねる
ラインの本線と、リーダーを重ねる。PEラインまたはエステルラインが本線という想定。これらのラインは摩擦に弱いので、必ず唾で湿らせて重ねておこう。
この画像では、本線が赤、リーダーを白としている。
(2)輪を作って3回通す
ラインを2つ重ねた状態で、輪を作る。
そしてこの輪の中に、3回イトを通していく。
(3)本線だけもう1回通す
3回通した後、本線だけもう1回通す。
3回通して、本線だけもう1回通すから、3.5ノットだ。この状態から、ぎゅーっと力をじわじわ入れて締めこんだら完成。端線をカットしよう。
――いかがだろう?とても簡単なノットである。ただ、通す回数が適当になったり、特に本線も3回しか通さない「3ノット」になると、すぐに切れるので注意を。強度は、本線の80%くらいが保てるらしい。
太さの限界を検証
上の画像では視覚的にわかりやすい太さのケーブルを使ったが、もちろん釣りでは細い細いラインを使う。ライトゲームではPEライン0.1号、いやいやワカサギ用で0.06号だってありえる。と、まあ細くする分にはほとんど問題がないが、太さの限界はある。というのもこの3.5ノット、FGノットのようにスルッとした仕上がりにならず、小さなコブみたいになってしまうのだ。これだとかなりイト抜けが悪くなり、ガイドに通してキャストするときに切れてしまう。
ということで、太さの限界も知らなければならない。結論から言えば、3.5ノットの太さの限界は「PEライン0.6号×リーダー2号」までだ。リーダー2号といえばおよそ8LB。まあ沿岸から釣れる魚であれば、50cmの青物までは何とかなるだろう。
少しでも強い釣りはFGノット推奨
3.5ノットにも「多少の大物耐性」はある。私はPEライン0.3号と6lbリーダーの3.5ノットでチヌ、シーバスまではやる。ただ、これは、私がチヌとシーバスのLT化のキモを押さえており、釣り場でのやり取りにも慣れているからだ。磯やテトラでは絶対にこのノットは使わない。平穏な感じの堤防でも、初場所ならば、まず間違いなくFGノットを使うだろう。
この理由は、上述のようにラインにコブができてしまい、ガイドに絡んだときに切れやすいことがまずある。キャスト時に一回一回「リーダーがガイドに通っていないか」という確認が要る。アジングやメバリングのワーミングなら気にしないが、4gくらいのメバルプラグからは気になる。思い切り竿を振ると、キャスト切れする可能性がある。
PEライン0.6号と2号のリーダーを3.5ノットで、50cmの青物までは釣れると上に書いたが、狙いで釣ろうとするならばこれはダメだ。あくまで、アクシデントでかかった青物は釣れるという意味だ。絶対にFGノットでいこう。
スピードが必要な場面で活用!
FGノットなどと比べるとあまりに簡単に結べてしまう上、強度も高い3.5ノット。FGノットはまた、結っていくときに失敗も多いので、ノットに手間取っていて気がつくと時合いの魚が通り過ぎているなんてこともよくある。
その点、0.6号と2号までの太さは3.5ノットで1分あれば結束できるのだから、このノットは本当に優秀である。ちなみに私が「太さの限界」を試そうと思ったのは、実はタチウオワインド時のノットブレイクを経験して、だ。そのときのラインシステムをそのまま3.5ノットで結束できた。タチウオの場合先イト30lbを結ぶのにもう少し時間がかかるが、それでも多大な効率化になる。もちろん、まったく切れずにF4までの堅い釣果を得ている。
<井上海生/TSURINEWSライター>