中深海の根魚五目釣りで50cm級頭に良型ウッカリカサゴが連発【三重・なぎさ丸】

2024年03月27日 17:00

[TSURINEWS]

抜粋

今回は朝から雪がちらつき冬に逆戻りした感のある3月2日に三重県・南伊勢町相賀浦の遊漁船なぎさ丸へ、中深海のカサゴ釣りでオニカサゴとウッカリカサゴを狙って釣行してきた。

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(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

中深海の根魚五目釣り

釣り人におなじみの魚であるカサゴ。日本近海には多くの種類のカサゴが生息しており、湾奥の浅場に生息するものから、水深100mを超える深場に生息するものまでさまざまな種類がある。その中で船から狙う「中深海のカサゴ釣り」のターゲットは、オニカサゴとウッカリカサゴがメインとなる。

釣り人のいうオニカサゴは正式にはイズカサゴ、フサカサゴなどのことを指す。釣れるものは20~40cmが中心で最大50cmにもなり、水深80~200mにある砂泥地や砂礫帯に生息している。

中深海の根魚五目釣りで50cm級頭に良型ウッカリカサゴが連発【三重・なぎさ丸】オニカサゴとウッカリカサゴ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

またウッカリカサゴは30~40cmが中心で、こちらも最大50cmとなる。水深50~150m付近の岩礁帯や砂礫帯でよく釣れる。

ウッカリカサゴはカサゴによく似ており、長い間カサゴと同種とされてきたが、模様などの特徴から別種と判明した。「ウッカリするとカサゴと間違える」ことが、本種の名前の由来となったそうだ。

両種とも水深100m以深をメインに狙うこととなるが、比較的ウッカリカサゴの方が浅い水深に多く生息している傾向がある。どちらも抜群においしい魚で人気があり、特にオニカサゴは専門に狙う人も多い。

まずはオニカサゴ狙いから

当日は午前7時に出船。出船時には晴天に恵まれたものの、風が強く波も高いことからやや難しいコンディション。しかし予報より荒れている感じではない。河口船長に聞くと、まずはオニカサゴ狙いで沖の水深140mのポイントに向かうとのこと。航程1時間ほどで船が止まった。

当日お世話になったなぎさ丸(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

仕掛けは吹き流し3本バリ

オニカサゴ狙いで使用するタックル&仕掛けは、ロッドは2m前後の中深海ロッドにダイワであればミチイト4号300mを巻いた300番の電動リールを使用。50cmのテンビンに、ハリス8号3本バリの吹き流し仕掛け。オモリは120号を使用した。

オニカサゴ仕掛け(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

エサはカツオの切り身やサバの切り身が基本となる。当日はサーモンのハラスやワームも使用した。切り身のエサはそのまま使用しても良いが、薄くカットして水中でヒラヒラとアピールするようにした方が良い。エサの付け方は、端から5mm~1cmの所にチョン掛けにする。

 

とにかく底を狙うこと

中深海のカサゴ狙いの基本は、「底付近を狙う」ことに尽きる。仕掛けを投入し、オモリが着底したら50cmほどオモリを持ち上げるイメージでオニカサゴからのアタリを待つ。

エサはこれぐらいの薄さでOK(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

オニカサゴのポイントは、底に起伏がある砂泥底が中心となることから、アタリを待つ際にオモリが着底したら再度リールを50cmほど巻き上げる。しばらくしてもアタリがない場合は、仕掛けが浮き上がってしまっている可能性もあるため、再び底を取ってオモリを持ち上げる作業を繰り返す。この動作が誘いにもなるので、こまめに底立ちを取って常にエサが底付近にあることをイメージして狙うと良い。

端にチョン掛けする(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ちなみに私は底から50cmを意識して狙うことが多いが、底から仕掛けの全長分の2mほど巻き上げて狙う人もいる。カサゴは海底で上を見ながら落ちてくるエサを待っているため、底にエサが完全に着いてしまうとアタリが減少することもあり、その日の潮の流れや魚からの反応に合わせて狙うタナを調整することが好釣果につながるだろう。

本命登場もサイズに難あり

釣りを開始してすぐに穂先に小さいアタリが出る。アワセを入れると、幸先よく当日のファーストヒット。しかし大して抵抗することなく上がってきたのは、定番の外道である小型のアヤメカサゴだった。

次の1投でもすぐにアタリ。アワセを入れてヒット。先ほどより強い引きが伝わってくる。オニカサゴは50m付近まで引き上げてくると、周囲が明るくなってくる影響から穂先をたたく引き込みを見せる。ヒットした魚も50mまできたところでグイグイと穂先を引き込むことから、オニカサゴの期待が高まる。

本命1号は30cm弱のオニカサゴ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

無事に水面まで上がってきたのは期待通りのオニカサゴだった。ただサイズが30cmを少し切れるぐらいで、満足のいくものではない。

カツオのハラモに飛びついてきた(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

しばらくして再びオニカサゴがヒットした。しかしこれは20cmに満たないサイズ。浮き袋があるカサゴは水深100mから引上げてくると、浮き袋が膨張して弱ってしまいリリースが困難になるが、オニカサゴは浮き袋がなく水深100m以上の海底から釣り上げても元気いっぱいである。

小型のオニカサゴはリリースを(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

オニカサゴは成長が非常に遅く、1年間で3~4cmしか成長しない。資源保護の面からも、小型のオニカサゴはリリースしてほしい。なお、リリースの際は毒がある棘に十分な注意が必要だ。

人工漁礁でウッカリカサゴを狙う

その後、中型サイズのオニカサゴ2匹を釣ったものの、なかなかサイズが上がらない。そこで、当日のもう1つのターゲットであるウッカリカサゴ狙いへ変更した。

船長によれば漁礁に着くジャンボサイズのウッカリが最近絶好調とのこと。少し走り、実績の上がっている水深100m付近の人工漁礁のポイントへ入った。

ウッカリカサゴ仕掛け(作図:週刊つりニュース中部版 編集部)

ここで仕掛けを胴つきタイプに変更する。市販のカサゴ胴つき仕掛けは主に小型のカサゴを狙うためのものが多く、中深海の大型カサゴ用が市販されていないことから、ヒラメ用の仕掛けを流用するか、自作した方が良い。

仕掛けはシンプルな胴つき1本バリ。私はオニカサゴと同様のタックルに、ミキイト12号、枝スは8号で40cmほど取り、捨てイトは6号を使用した。

 

良型ウッカリカサゴ浮上

オモリは船長の指示で80号からスタート。仕掛けが底に着くと、しばらくして穂先にゴツゴツと強いアタリ。アワセを入れると、穂先が水面に突き刺さる。いきなり良型がヒットしたようだ。しかし巻き上げの途中で漁礁に仕掛けが絡んで切れてしまった。

このサイズなら一気に抜き上げる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ここで船長から「このポイントの漁礁は20mほどの高さがありヒット後20mは一気に巻き上げて漁礁を回避した方がキャッチ率が上がるよ」とのアドバイスがあった。

見事ゴジラ級をキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

そのアドバイス通り、次の1投ではヒット後速めに巻き上げて、40cmを優に超える良型のウッカリカサゴを釣ることができた。このサイズになると、もはや顔つきが通常のカサゴとは違いもはやゴジラだ。

ロッドが大きく引き込まれる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ここで左舷ミヨシで釣っていた天野さんのロッドも大きく曲がる。ポカンと浮いてきたのは、まぎれもないゴジラ級のジャンボウッカリカサゴ。その大きさにただただ驚くばかりだ。

45cmゴジラ級ウッカリカサゴを仕留めた(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

船中でゴジラ続々ヒット

ここから船中でゴジラ級のウッカリカサゴが連続でヒットする。木野さんの娘さんの百衣(ももえ)さんにも、強いアタリがありヒット。ヒット後の強い引き込みを速めの巻き上げでかわす

この顔つきはまさにゴジラ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ある程度巻き上げてくると、おとなしくなることが多いウッカリカサゴだが、この魚は水面付近まで強い引き込みがある。無事に海面に浮いたのは、この日最長寸となる50cm近いゴジラ級のジャンボウッカリカサゴだった。

こちらも良型ウッカリカサゴをゲット(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

お父さんの木野さんも40cm前後のゴジラをキャッチ。天野さんも黙々とゴジラを追加している。話には聞いていたが、これほどのポテンシャルだとは……。

ゴジラ級なら無理せずタモを使う(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

ゲストも豪華

漁礁のポイントはさまざまな魚がヒットする。木野さんにはグッドサイズのサイズのアオハタやレンコダイ(キダイ)がヒットしていた。

でっかいアオハタも上がった(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

潮が速いときは重めのオモリ&サミング

胴つき仕掛けを使用したウッカリカサゴ釣りは、仕掛けを落としてアタリを待つだけだが、やはり好釣果を上げるにはいくつかのコツがある。

この日は潮がそこそこ流れており、仕掛けを投入してフリーの状態でどんどんイトを出していくと、船の流れによってイトに角度がついてくる。この状態で仕掛けを引きずってしまうと、根掛かりしてしまう可能性が高くなってしまう。またせっかくヒットしたカサゴが漁礁に潜ってしまい、バラしてしまう確率も高くなる。

そのために比較的重めのオモリを使用すること、仕掛けの投入時はリールのスプールを親指でやや強めに押さえてサミングし、なるべく自分の直下へ仕掛けを落とすようにすると、根掛かりのリスクはかなり回避できる。

仕掛け投入時は親指でスプールを押さえる(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

船が流れて仕掛けに角度がついてきたら面倒でだが、一度巻き上げて再度投入する。水深があるポイントでは巻き上げに時間がかかり面倒な作業ではあるが、仕掛けのトラブル確認やエサの状態の確認にもなる。

こうすることでトラブルに見舞われる可能性がグッと減少し、より多くのアタリを引き出すことができる。

当日もオモリを100号に変更し、上記のポイントを意識するようにしてからはコンスタントに釣果が上がり、次々とゴジラ級交じりで良型のウッカリカサゴをヒットさせることができた。そして連続ヒットを満喫して、十分な釣果となった昼すぎに沖上がりとなった。

当日の釣果(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

当日の私の釣果はオニカサゴ4匹ウッカリカサゴ16匹。当日は、なぎさ丸の河口船長の的確なポイント選びと安定した操船で、リリースを含む20匹の大満足な釣果となった。

調理の際は毒針に注意

カサゴ全般に言えることであるが、オニカサゴもウッカリカサゴもとてもおいしい魚である。しかしなかなか市場には出回らない高級魚であり、釣りの後の楽しみも大きいターゲットだ。

調理の際に気をつけてほしいのは、ウッカリカサゴには毒はないものの鋭い棘(とげ)がある。オニカサゴは顔やヒレに毒針があり、魚が死んでからも毒針に刺される可能性がある。またオニカサゴはとても生命力の強い魚で、クーラーの中で生きていることも多く。まな板の上に乗せたところで大暴れすることもあるので、調理の際は十分に気をつけてほしい。

大満足のお土産にVサイン(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)

河口船長によれば、ウッカリカサゴは3月いっぱいこの漁礁のポイントで狙え、当日良型は出なかったオニカサゴも、数型ともに当面好釣果が期待できるとのこと。皆さんもなぎさ丸でオニカサゴ&ジャンボウッカリを狙ってみてはいかがだろうか。

<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>

この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年3月15日号に掲載された記事を再編集したものになります。
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