暑い夏は【高原のエリアトラウトで釣りを楽しもう】 タックル・ルアー・基本の釣り方を解説
2024年08月24日 11:00
抜粋
うだるような暑さが続くが、こんなときこそ避暑地へ出かけたい。夏はエリアフィッシングのオフシーズンと言われているが、それは平地での話。涼風が吹く高原にあるエリアは、夏こそがトラウトフィッシングの本格シーズンなのだ。
(アイキャッチ画像提供:週刊つりニュース中部版 編集部)


タックル
夏のタックルに関しては、通常のエリアタックルと変わらない。よく管理釣り場で、ロッドスタンドに何本ものタックルを差しているエキスパートを見ると思う。ビギナーの人は「そんなに必要なの?」と思ってしまうかもしれないが、1本1本に意味がある。
例えばアンダー1gの軽量スプーンを使用する場合は水に浮くナイロンラインを巻いたタックル、クランクを使用する場合はPEを巻いたタックルなど。さらには探るレンジによって、ラインの太さやルアーの重さを微妙に変えていくため、釣りの展開を細分化していくほどタックルが増えていく。
エリアトラウトのタックル(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ただしビギナーにそこまで求めるのは無理。最初の1本は6ft前後のエリアトラウトロッドUL~XULがお勧めだ。
合わせるリールは1000~2000番のスピニングリール。ドラグを駆使する釣りなので、滑り出しのいいものを選びたいが、最近のリールは廉価版でも非常に優秀。1万円以下でも十分その役割を果たしてくれる。
迷うのがラインだ。感度のいいPEラインを勧めたいが、トラブルも多い。エステルも感度はいいが、素材が硬いのでやはりトラブルの原因になる。となるとナイロンラインかフロロカーボンラインだが、やはりお勧めはフロロカーボンラインだ。
太さにも注意したい。エリアトラウトにおいて、ラインは細ければ細いほど有利。飛距離は伸びるし感度も上がる。お勧めの太さは1.5lb。太くても2lbまで。「細すぎるのでは?」「アワセ切れしそう─と思われるかもしれないが、ウルトラライトロッドにドラグを緩めに設定したタックルなら、よほどの大物でない限り、まず切れることはない。
ルアー
夏は表層をメインに攻めることが多いので、スプーンはアンダー1gを中心に1.5gまで各色の他、絶対に必要なのがクランクベイトだ。
エリアトラウトといえばスプーン、と思う人が多いかもしれないが、実は最も釣りやすいのがクランクベイトだ。クランクベイトはディープタイプ、ミドルレンジタイプ、シャロータイプの3つに大別される。
この中で夏に絶対持っておきたいのが、フローティングのシャロークランクだ。夏は表層で反応がいいことが多い。特にライズが多く発生している状況になると、フローティングのシャロークランクが圧倒的に強くなるのだ。
ただ夏でも時間で状況がネコの目のように変わる。表層攻めが有効というのはマクロでそういう場面が多いのであり、ミクロで見るとヒットレンジがころころ変わる。できればあらゆるレンジを攻められるクランクを持っておけば、どんな状況にも対応できるだろう。
フィールド
日本で最も有名な避暑地である軽井沢を擁する長野県。山岳地帯が多く盆地もあるが、総じて平均気温が低い。そんな長野県にはトラウトの管理釣り場が多く点在しており、結氷する冬季に休業する施設もあるが、ほぼ周年エリアフィッシングを楽しめる。
バーベキュー場も完備(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)長野県・平谷村にある平谷湖フィッシングスポットは標高千m近い高原に位置しており、夏場の気温も平地より5~10度ほど低い。日中は30度を超える日もあるが猛暑日になることはほとんどなく、空気も乾燥して非常に過ごしやすい。
トイレはもちろん豊富なメニューを取りそろえた食堂、魚さばき場、エサ釣り池、バーベキュー場などもあり、家族連れにはぴったり。さらに宿泊用コテージもあり、ここにはエアコンがない。こんだけ暑いのに?と思われるかもしれないが、夜になるとエアコンがない意味がよく分かる。
宿泊用のコテージ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)そう、7月で夜に窓を開けると寒いのだ。平地では考えられないことだが……。また空気が乾燥しているので、夜は星空が驚くほどキレイだ。これは平地では絶対に味わえない壮大な景色だ。
どうしてルアーで魚が釣れるのか
さてここからは平谷湖フィッシングスポットの施設長、服部鱒宏さんから教えていただいたことを述べてみたい。
施設長の服部鱒宏さん(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)皆さんはどうしてルアーで魚が釣れると思うだろうか。初心者のほとんどは「エサと思って食べにくる」「エサと間違えて食ってくる」を答える。これは決して間違いではなく、養殖池で毎日ペレットを与えられているので、落ちてきたルアーを「エサと間違えて食ってくる」のだと思う。
ただ釣り人側が「エサと思って食べにくる」「エサと間違えて食ってくる」とだけ思っていると、なかなか釣れない。そこで考えをひとひねりして、「興味でつかみに来る」と考えると釣れるようになってくる。
「あっ、エサだ!」「エサに似ているけど食えるかな?」という興味でつかみに来る。オレ金の放流用スプーンが泳いでくると「何これ?」「このキレイなものは何だ!」「これキレイだな!」など、何かしらの興味を抱いてつかみにくる。
魚の形をしたミノーが泳いでくると「こいつどこの者だ?」「ここから出て行け!」「かみつくぞ!」などミノーに対する興味であり、つかみに来たり攻撃したりする。
ニジマスキャッチ(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)人間も興味を抱いたものに対して、手に取ってみたいという衝動が起きると思う。ところが魚には手がないため口で同じことをすると、人は「食べた」と解釈してしまうのだ。「食べた」と解釈してしまった人には不幸が訪れる。「食べた」と解釈すると「投げていればいつかは食べてくれる」と思い込み、魚の興味などお構いなしに釣り人がやりたいことを延々とやり続けてしまうので、釣れない時間が延々と続いてしまう。
それでは「興味でつかみに来る」と知ったならば、どうすれば良いか。それは釣りながら魚の興味を観察すれば良い。まずは自分で視認できる明るめのカラーのルアーを使い、1投ごとに自分のルアーを見て意図通り動かせているか確認すると同時に、周囲の魚がルアーに対してどれぐらいの興味を抱いているか観察する。操り方はもちろん「ただ巻き」、後述する「3つの一定」だ。
興味がないことを続けていては、時間だけが流れていく。興味がないのであれば次の1投は違うことをする。例えば「もう少し速く巻いてみよう」「もう少し浅いところを巻いてみよう」など。最も強い興味を示したときこそが釣れるときと考えて良いと思う。
一方「興味でつかみに来る」のであれば、飽きるということもある。たくさん釣れたルアーでも投げ続けていれば飽きてきて、だんだん反応が悪くなってくる。子どもに買ってあげたおもちゃと同じだ。ということはルアーチェンジ、カラーチェンジした後の1投は、釣れるチャンスであるということも言えそうだ。
夏場は表層攻め
先にも述べたが、夏は表層付近でのヒットが多い。これは夏はさまざまな虫が多く、この虫を魚が捕食するため自然と水面付近に意識を集中させることが多くなると思われる。
夏は表層を意識(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)ただ巻きを習得しよう
ルアーフィッシングでのルアーの動かし方は、「ただ巻き」が基本である。皆さんも「ただ巻き」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。特にスプーンやクランクベイトはただ巻きが基本。
ただ、このただ巻きについて、初心者の人は「ただ巻き」という言葉も聞いたことがない人も多いと思うし、「ただ巻き」を知っていてやっているという人でも、できている人は多くはない。それはなぜかというと「ただ巻き」が、「ただ巻くだけ」という誤認に至りやすい言葉であったりするからだ。
ただ巻きをしっかり習得しよう(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)そこで、「ただ巻き」という基本メソッドを、服部さんが分かりやすく教えてくれている。「ただ巻き」とは、「一定のリズム」で「一定のスピード」で「一定の深さ」を巻くことである。この「3つの一定」の条件が両立できて初めて「ただ巻き」となる。
経験者から「ただ巻きがいいよ」とか「ゆっくり巻けばいいよ」とか、「2秒間に1回巻けばいいよ」などのアドバイスをもらったことがある人もいると思うが、経験者の人が本当に伝えたいのは「3つの一定の条件を両立してください」ということなのだ。
「ただ巻き」をやっているようでもできていない実際の例として、「一定のスピード」で巻いてはいるが、スプーンがどんどん沈んでいってしまう例がある。これは巻くスピードが遅いため、重力でスプーンが沈んでいき、「一定の深さ」という条件を満たしていないため「ただ巻き」ができていないという例だ。
また「一定のスピード」や「一定の深さ」で巻いてはいるが、動きが雑だったり回転してしまったりする例がある、これは巻くスピードが速いため「一定のリズム」という条件を満たしていない。
「ただ巻き」という基本のルアーの使い方と、「ただ巻き」とは「一定のリズム」で「一定のスピード」で「一定の深さ」を巻くという条件が分かればあとは簡単。目に見える所で実際に「ただ巻き」をやってみよう。ルアーを目視できる距離と深さ、つまり近場の表層で目視しやすいカラー、つまり白などの明るいカラーのスプーンで、「3つの一定」を同時に両立してみる。
やってみると、ただ巻きにはある程度の速度の幅があることに気づくと思う。つまり「3つの一定」をしている速度でも、ゆっくりから速くまである程度の速度の幅がある。それを「適正スピードの範囲」という。「3つの一定」をする「適正スピードの範囲」の中で、魚が今求めているスピードで巻くことが求められる。
目に見える反応をしっかり観察(提供:週刊つりニュース中部版 編集部)これらは簡単なようだが、実際やってみるとなかなか難しい。なぜなら今までは自分の巻きたいスピードで巻いていたし、「ゆっくり巻く」といった刷り込みや固定概念で巻くスピードを決めていたし、適当に巻いていたので巻きムラがあったりするからだ。
この「ただ巻き」を最も実現しやすいルアーがクランクベイトだ。レンジキープしやすく、動きが明確なのでリズムや速度を認識しやすい。また巻きムラが少ないので、魚が求めるスピードが分かりやすいのだ。
さらに前述の通り、夏は表層パターンが多いので、フローティングのシャロークランクは夏のエリアにおいて欠かせないルアーとなるのだ。カラーは各色そろえたいが、必ず視認性のいいものは持っておきたい。
レギュレーション順守
各エリアにはそれぞれレギュレーション(ルール)がある。それらを遵守するのは当然。シングルバーブレスフックの使用はほとんどのエリアで決められているが、使ってもいいルアーの種類や大きさを定めている所もあるので、事前にしっかり把握しておこう。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>















