関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説

2024年12月22日 11:30

[TSURINEWS]

抜粋

2024年4月1日から東京都で「ガサガサ」と称される採集が解禁となりました (東京都内水面漁業調整規則の改正)。この機会にガサガサで淡水魚を採集・観察したいと考えている方のために、関東地方の河川で採集できる主な淡水魚を20種類紹介します。安全やマナーに配慮しながら採集し、淡水魚たちの生活を覗いてみましょう。

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(アイキャッチ画像提供:椎名まさと)

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説

オイカワ Opsariichthys platypus

「ハヤ」とも呼ばれるコイ科(またはクセノキプリス科)の淡水魚・オイカワ。関東地方以西の各地に分布しており、ガサガサではもっともよく見られる魚の一種で、関東地方でも広い範囲に見られる魚です。

一見地味なのですが、繁殖期の雄は非常にカラフルな色彩になります。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説オイカワの幼魚(撮影:椎名まさと)

きれいな河川に多く見られますが、三面護岸の河川や濁った河川でも見られるなどなかなかタフなようにも見えます。ただ酸欠には弱い面があるため、注意が必要です。

60cm水槽でも飼育できないことはないのですが、上手く飼育するのであれば90cmくらいの水槽が欲しいところです。また飛び出すこともあるためフタも必須です。食用にされることもあります。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説婚姻色の出たオイカワ(撮影:椎名まさと)

カワムツ Candidia temminckii

体側に黒い縦線が入るのが特徴のカワムツ。体側に黒い縦線が入り、ある程度大きくなったものはオイカワとは容易に見分けられます。

本種はもともと西日本に生息していた魚で、関東地方にはもともと生息していなかった国内外来魚です。なお、ウグイと間違えられることがあるのですが、ウグイはカワムツより鱗が細かいので見分けられます。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説茨城県でも多く見られるカワムツ(撮影:椎名まさと)

またウグイは全長50cmを超えることもある大型魚ですが、カワムツは全長15cmくらいとより小型。ただし、成魚を上手く飼うなら最低でも90cmくらいの水槽が欲しいところです。ジャンプすることもあるので、フタはしっかりしましょう。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説カワムツ成魚の腹部はより赤く染まり美しくなる(撮影:椎名まさと)

アブラハヤ Rhynchocypris lagowskii steindachneri

アブラハヤはウグイに近縁とされる小魚です。ウグイよりも小型で60cm水槽でも飼育することができますが、よく泳ぎ、高水温に弱いところがあります。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説アブラハヤの幼魚(撮影:椎名まさと)

またアブラハヤはジャンプすることもあるので、フタはしっかり閉めておく必要があります(※筆者はアブラハヤを飼育したことがなく、近縁種であるタカハヤの飼育経験に基くものになります)。

かつて学名はMoroco steindachneriとされてきましたが、タモロコなどのモロコの仲間とは異なるグループになります。種小名はオーストリアの魚類・爬虫類学者のF.シュタインダハナーへの献名です。

モツゴ Pseudorasbora parva

コイ科の小型種・モツゴは全長10cmほど。東京では「クチボソ」の名前のほうでよく知られています。

体色は灰色っぽく地味ですが、体側に暗色の縦帯が入ります。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説モツゴ(撮影:椎名まさと)

流れの緩やかな河川や池、沼などに生息しています。餌もよく食べ丈夫で飼育しやすいですが、細長いため他の魚に襲われることも。筆者は高校内の水路でよく採集し、肉食魚やイカの餌にしていました……。

タモロコ Gnathopogon elongatus elongatus

タモロコは体側に薄い縦線が入ることが多く(写真では薄くなっている)、モツゴに似た見た目をしていますが、小さな口ひげを有しており、モツゴと見分けることができます(モツゴにはひげがない)。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説タモロコ(撮影:椎名まさと)

緩やかな流れの河川の底の方に、オイカワなどとともに見られます。丈夫でとても飼育しやすい魚で、あまり大きくならないため60cm水槽でも十分飼育可能です。

琵琶湖では本種と同属のホンモロコが食用としてよく知られており、本種も食用とされることがあります。

コイ Cyprinus carpio

言わずとしれた日本産淡水魚の代表的な大型種・コイですが、現在関東地方にいるコイは飼育型の「ヤマトゴイ」と呼ばれる大陸から導入された系統に由来している、または従来からいた野生型との交雑によるものと考えられています。

なお、コイについては採集可能サイズが決められていることがあり注意が必要。例として、東京都では全長18cm以下のものはリリースする必要があります。ただ、この魚は環境問題を引き起こすことがよく知られており、かつ勝手に放流されることも多く、厄介な規則です。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説コイ飼育型(撮影:椎名まさと)

飼育については容易で飼いやすいですが大きくなるため小型水槽では飼育できません。庭にスペースがある方は池で飼育するのもよいでしょう。

フナ属 Genus Carassius

コイと並んでよく知られた淡水魚のグループですが、形態的に変異に富み、同定が難しく、ゲンゴロウブナ以外のものは「マブナ」とひとくくりにされることも多くあります。

関東にはギンブナとキンブナが見られ、琵琶湖周辺特産のゲンゴロウブナの改良品種であるヘラブナも関東各地に移植されています。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説ギンブナの成魚(撮影:椎名まさと)

また外国産のフナ属魚類であるキンギョの放流もなされていますが、外来魚の放流であり問題視されます。飼育は容易です。

タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus

コイ科タナゴ亜科の魚・タイリクバラタナゴ。タナゴ亜科の魚は二枚貝の鰓に産卵するという特異な生態や、雄の美しい婚姻色によって愛好家に人気がある淡水魚のグループです。

中国産の外来魚で、同じく中国原産のソウギョに混ざって日本に上陸し、現在は日本の各地に広まり従来からいたニッポンバラタナゴを絶滅寸前まで追いやってしまいました。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説タイリクバラタナゴ オスの婚姻色(撮影:椎名まさと)

本種は採集してもリリースしないようにしたいところです。飼育は極めて容易で、飼育していると婚姻色を楽しむこともできます。

二枚貝を入れると繁殖も可能ですが、繁殖して増えすぎると困るのであまりおすすめしません。

カマツカ属 Genus Pseudogobio

日本のカマツカ属は3種からなりますが、もともと東日本にいたのはスナゴカマツカとされています。

ただし近年はアユなどの放流に混ざって西日本にいたカマツカも関東で見られるようになり、困ったことに交雑もしているようです。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説スナゴカマツカ(撮影:椎名まさと)

細かい砂を厚く敷くと砂に潜る様子も観察できますが、痩せやすいところがあり、飼育は簡単とは言えません。できるだけ大きな水槽、できれば90cm以上の水槽で飼育してあげたい魚です。

ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus

昔から親しまれてきたコイ目ドジョウ科の淡水魚・ドジョウ。日本で従来「ドジョウ」とされてきたものでも複数の種がいることが知られています。

食用魚としてもしられるドジョウですが、近年は魚屋さんで台湾や中国産のドジョウが販売されていることも多く、それらが放流されるという問題も起こっています。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説ドジョウ(撮影:椎名まさと)

飼育については砂を敷いてあげるとよいでしょう。意外にも飛び出すこともあるので、フタは必要です。

ヒガシシマドジョウ Cobitis sp. BIWAE type C

シマドジョウの仲間は日本の広い範囲に生息しているグループですが、関東平野に在来で生息しているものはヒガシシマドジョウという種になります。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説ヒガシシマドジョウの幼魚(撮影:椎名まさと)

砂に潜っていることも多く、砂ごと掬うと入っていることもあります。飼育の際にも粒の細かい砂を敷いてあげるとよいでしょう。

成魚の飼育は容易ですが幼魚(写真)は繊細で痩せやすいので注意が必要です。

ナマズ Silurus asotus

日本に生息するナマズ目の中では最もよく知られた種で、ほかのナマズ目魚類と識別しやすくするため「マナマズ」と呼ばれることもあります。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説ナマズの幼魚(撮影:椎名まさと)

飼育は容易ですが全長70cm以上と大型になる種で、他の魚を捕食してしまうこともあります。そのため他の魚との飼育には向いていないと言えます。

夜行性で、昼間は流木や障害物の陰に隠れていることが多いです。

ギバチ Pseudobagrus tokiensis

神奈川県・富山県以東の本州に生息するナマズ目ギギ科の一種・ギバチ。夜行性で昼間は岩や流木の影でじっとしていることが多く、夜間にそこからでてきて泳ぎ回り、餌となる小魚や甲殻類を捕食します。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説ギバチ(撮影:椎名まさと)

絶滅危惧II種とされており、獲りすぎないよう、特に注意が必要な魚です。よく同種同士で争うため、複数個体の飼育はやめたほうが無難です。また大きいものは全長30cmほどにもなります。

ミナミメダカ Oryzias latipes

ダツ目メダカ科の淡水魚・ミナミメダカ。おとなしい魚でいつも水槽の表層で群れています。日本国内では減少傾向にあり、地域によっては保護されていることもあり注意が必要です。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説ミナミメダカ(撮影:椎名まさと)

また在来の個体群が放流された別地域の個体群に置き換わった地域もあったり、改良品種が放流されるなど、アクアリストと絶滅危惧淡水魚との付き合い方の難しさを示す例になりやすい魚ともいえます。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説改良品種のヒメダカ(撮影:椎名まさと)

飼育・繁殖ともに容易ですが他の魚から攻撃を受けやすいため、同種同士をのぞき、他魚との混泳には向いていないところがあります。

オヤニラミ Coreoperca kawamebari

日本では数少ない純淡水域のスズキ類・オヤニラミ。中国で重要な食用魚とされるモトケツギョを含むケツギョ科の魚では唯一の日本在来種で、京都府以西の西日本に生息しています。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説オヤニラミ(撮影:椎名まさと)

トウヨシノボリおよびその近縁種 Rhinogobius sp. OR

ハゼ科ヨシノボリ属は分類学的に混乱の極みにあります。

従来「トウヨシノボリ」と呼ばれたものも複数種いるようで、背鰭の形状や細かい斑紋、色彩などに違いが見られます。従来から関東にいたタイプのもののほか、近年はやはりアユの放流に伴い琵琶湖由来と思われるものも見られるようです。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説トウヨシノボリ(撮影:椎名まさと)

水槽に入れた直後は突然死することもありますが、慣れれば丈夫で飼育しやすいです。ただ、他の魚の鰭をかじったりすることもあります。孵化した稚魚は一度海に下り、その後遡上する両側回遊性の魚ですが、海に降りず内陸の河川や湖沼で一生をすごすものもいます。

シマヨシノボリ Rhinogobius nagoyae

頭部に赤い線が入るヨシノボリ属の魚・シマヨシノボリ。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説シマヨシノボリ(撮影:椎名まさと)

日本の広い範囲に分布し、流れのゆるやかな下流から中流に生息していますが、大規模な河川よりは小河川のほうに多い印象があります。卵を持っている雌は腹部が青くなります。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説卵を持っているシマヨシノボリ(撮影:椎名まさと)

水槽に入れた直後は突然死亡する個体もいますが、本来は丈夫な魚です。河川の淡水域で産卵し、孵化した稚魚は一度海に下り、その後遡上する両側回遊性の魚です。

ヌマチチブ Tridentiger brevispinis

ハゼ科チチブ属の淡水魚・ヌマチチブ。日本各地の河川に見られ、関東では他の一部のハゼとともに「ダボハゼ」と呼ばれるもので、古くからお馴染みでした。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説ヌマチチブ(撮影:椎名まさと)

頭部に青白い斑点があるなど綺麗なのですが、チチブ属は比較的気が荒く、他の魚をいじめることもあります。そのためあまり飼育はおすすめしません。地方によっては小型個体を食用にすることもあります。

ウキゴリ Gymnogobius urotaenia

ウキゴリはハゼ科ウキゴリ属の魚で、日本の広い範囲の河川に生息しています。第1背鰭の後方に大きな黒色斑があるのが特徴です。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説ウキゴリ(撮影:椎名まさと)

産卵は河川で行いますが、孵化した仔魚は一度海に降りたのち河川を遡上する両側回遊魚ですが、個体群によっては一生を淡水域で過ごします。

飼育は容易ですが最初のうちはなかなか配合飼料を口にしないことがあります。全長10センチほど。

スミウキゴリ Gymnogobius petschiliensis

スミウキゴリはウキゴリ同様に両側回遊魚ですが、河川の下流に多く見られウキゴリよりも海に近いところに多いイメージがあります。

飼育自体はウキゴリと大きく変わりませんが、採集した場所によっては飼育水に人工海水を加え、汽水で飼育したほうがいいかもしれません。

関東地方の河川で採集できる【淡水魚】20選 それぞれの特徴や飼育のポイントも解説スミウキゴリ(幼魚)(撮影:椎名まさと)

写真の個体は、マハゼが生息しているような河口付近の場所で採集した幼魚の個体です。

淡水魚を観察してみよう

野生の淡水魚を観察すると、それぞれに多様な個性を見出すことができます。また、どのような環境にどのような淡水魚が生息しているかなどを知れる機会にもなります。

採集の際には安全に気を付け、乱獲や採集規制に注意しましょう。また、一度飼育し始めた魚は絶対に放流せず、責任を持って最後まで飼育しましょう。

安全やマナーに配慮し採集・観察を行い、淡水魚たちの生活を覗いてみてください。

<椎名まさと/サカナトライター>

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