今が「旬」の魚だからうまい!って言ってるその「旬」、間違ってるかも!?4種類の魚の「旬」の真実教えます!
2020年04月19日 11:20
抜粋
今が「旬」の魚だからうまい!って言ってるその「旬」、間違ってるかも!?4種類の魚の「旬」の真実教えます!
食いしん坊な釣り人の間では…
「今が旬だからこの魚は脂が乗って美味しいよ。早く釣りに行こう!」
という会話を耳にすることが多いですよね。
旬のものを食べるのがおいしいとか、今が旬の食材を使った料理とか当たり前のように聞きますよね。
でもそもそも旬とは、いったい何なのでしょうか?
簡単に言えば、魚介類や果物、野菜など、季節の食べのものが出盛りのとき、あるいは、ものがよく熟した時節、また最も味がよい季節を指す言葉です。
ただ魚を例に取ると出盛りの季節と、最も味のよい季節が合致している魚もいれば、そうでない魚もいます。
あなたが旬だと思っている季節以外にも美味しく食べられる季節があるかもしれませんよ。
今回は4種類の魚の旬について詳しく見ていきましょう!
イサキの場合
出盛りの季節と味のいい季節が違ういい例がイサキです。
出盛りの旬は麦秋の季節、いわゆる「麦わらイサキ」と呼ばれる初夏ですが、これはちょうど産卵の季節にあたります。
しかし、抱卵して卵に栄養をとられたこの時期のイサキより、実は寒い頃に釣れるたっぷりと体内に脂を蓄えた大型のイサキの方が、何倍も美味しいんです。
これは一年中イサキを追いかけているプロの漁師さんが言うことなので間違いないです。
タコの場合
また、タコといえば明石、明石といえばタコ、といわれるほど有名な兵庫県の明石周辺では、初夏のころに取れる麦わらダコをかなり珍重します。
一般にタコやイカなどの頭足類は、魚のように脂が乗ることはないので、多く漁獲される時期を旬とする場合が多いです。
ただ明石周辺では一年中タコ漁が行われており、冬のタコは寒ダコ、初夏のタコが麦わらダコで、盛夏のタコを盆ダコと呼び分けています。
そして、寒ダコや盆ダコよりもおいしいのが梅雨の水を吸って大きくなると言われる麦わらダコなのです。
タコ通にいわせると、身がやわらかくてジューシーだそうですよ。
こうしてみると明石周辺のマダコは、出盛りの旬と美味しい季節が合致している魚介のひとつですが、これも地域差があって一概には言えないんです。
たとえば、関西と並んでマダコをよく食べる関東では、出盛りの旬が冬であり、年の瀬に盛んに食べられます。
地方によって出盛りの旬も味の旬も違うのはおもしろいですよね。
マダイの場合
一方、麦わらイサキも麦わらダコも出盛りの季節を表わした言葉ですが、同じ麦わらでも麦わらダイは、まったく意味が変わります。
マダイの旬は、サクラ鯛とか上り鯛と呼ばれる陽春の季節で、関西では4月の終わりごろから5月にかけて釣れるマダイを、サクラ鯛と表現します。
しかし、このサクラ鯛が産卵するのは初夏、ちょうど麦秋の季節に当るため産卵を終え味が落ちたマダイを麦わらダイと呼ぶようになったのです。
サバの場合
このような例はまだあります。
たとえば「秋サバは嫁に食わすな」という言葉があるように、サバの旬は秋とされていますが、大阪湾口の友ケ島周辺では夏に釣れたサバほどうまいものはないくらい美味しいです。
また、大阪湾より水温が高い紀伊水道沖では、秋サバはイマイチ脂の乗りが悪いから、わざわざ強風を突いて寒サバ釣りに行きます。
このように同じ魚でも、地域によって最も味がよくなる「味の旬」に違いが出てくるので、この魚の旬は秋だ、冬だと最初から決めてしまわないことが大切かもしれません。
釣り人の皆さんのお好きな魚も地方によって旬が違うかもしれませんよ!
一度確かめてみるのもいいですね!