「アユ(鮎)」はなぜスイカの匂いがするの? エサの藻類に含まれる成分が原因

2025年10月05日 17:00

[TSURINEWS]

抜粋

アユ Plecoglossus altivelis altivelis は別名「香魚」とも呼ばれ、スイカのような爽やかな香りがする魚として知られています。特に天然物のアユは爽やかな匂いを放ち、高級魚としても有名です。アユが放つスイカのような匂いには、どのような秘密があるのでしょうか。

【『サカナト』で読む】

(アイキャッチ画像提供:PhotoAC)

「アユ(鮎)」はなぜスイカの匂いがするの? エサの藻類に含まれる成分が原因

アユがスイカのように香る理由

アユの匂いにはエサが関係しています。

アユは川底に生えている藻類(いわゆるコケ)をエサとして食べており、この藻類の成分によって、スイカやキュウリのような匂いを生み出しているのです。そのため、獲れた場所によって匂いが異なることもあります。

人間の体臭が普段の食事内容によって左右されるのと同じだと考えると、イメージしやすいでしょう。

匂いの元は藻類の化合物

アユがエサとしている藻類には、「キュウリアルコール」や「キュウリアルデヒト」など、スイカのような香りを構成する化合物が含まれています。これがスイカのような匂いを作る元となります。

「アユ(鮎)」はなぜスイカの匂いがするの? エサの藻類に含まれる成分が原因川で生息しているアユの様子(提供:PhotoAC)

同じように、川魚で藻類をエサにしている魚はアユ以外にも「カワムツ」や「オイカワ」などがいますが、この魚たちはアユと同じような匂いはしません。

アユには縄張り意識が強く、縄張りの藻類だけを食べる習性があります。一方、カワムツやオイカワは基本的に雑食性なので藻類にこだわらず、それ以外のエサも食べるので匂いが残りにくいのです。

さらに、アユの寿命は1年と短命なため、新陳代謝が他の魚よりも活発。そのため、摂取したエサの成分を体に取り込みやすく、匂いとして発散しやすい特徴があります。

アユの香りがもたらす効果

アユの匂いは、人間の食欲を刺激する効果があるとも言われています。

現在、「柑味鮎(かんみあゆ)」という養殖のアユも開発されています。山口大学農学部と椹野川漁業協同組合が共同で開発したもので、エサにミカンの皮が抽出されたものを使用しており、身だけでなく骨まで柑橘の香りがすることが特徴だといいます(柑橘風味のする鮎「柑味鮎(かんみあゆ)」の開発)。

アユは初夏〜夏に旬を迎える魚。もし、天然物のアユを見かける機会があったら、その匂いをぜひ確かめて、夏の風物詩を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「アユ(鮎)」はなぜスイカの匂いがするの? エサの藻類に含まれる成分が原因アユの塩焼きの様子(提供:PhotoAC)

<かい/サカナトライター>

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